雑感/夫婦 〜我が家の一個小隊〜
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2016.10 エッセイ
どうも、acsekitoriです。
行き当たりばったりペケグラ放浪隊の隊員である妻は、私のことを隊長と呼びます。
話し方は、「隊長、あっちにキレイな花が咲いてますぜ」とか「ボチボチこの公園は閉まるって書いとります、隊長」とか。実に的確に旅のナビをしてくれる隊員なんですわ。
狭い車の中で一週間寝食を共にしても、根を上げない素晴らしき隊員。もちろん疲れは出ます。その時、絶妙に子供のふりをしてしんどいアピールをするんですよ。「隊長、もう歩けません」「お腹が空いて死にそうです、隊長」などと。
そうされると、隊長としては無闇に叱れないし、以後の行動も一番弱い隊員に合わせた計画に練り直さねばなりません。
強い(と、自分で思い込んでいる)者同士が意地を張り合うから、有事につながりますし喧嘩も起きる。ところが隊員になりきった、しかも新人丸出しの隊員が体力精神力の低下で錯乱したり、技術不足で失敗をしたとしても叱れないんですよ。こちらの指導不足ですから。
監督をして
私は大学山岳部を卒業後、10数年間にわたり監督を拝命しました。実際に現役部員達と山に入り、どうすれば命を落とさず、身体を傷付けずに登山ができるかを日々指導していました。
その話は妻には事あるごとにしています。なので、その私の監督癖を見抜き、逆手にとっているのでしょう。
私達夫婦はバツイチ同士の再婚です。よって、この歳になってもこんなママゴトのような夫婦関係を続けられるのかもしれません。
しかし、夫婦それぞれが過去に経験した離婚への道のりを知っているからこそ、それを回避する術も身に付けたとの事実もあります。
婚姻生活が長くなり、お互いを労わる気持ちや慰めがなくなって罵り合う毎日。それがどれだけ人生にとって無益な時間かを知っているから、その相手を憎むパワーを遊びのエネルギーに変換しているのかもしれません。
世の女性を敵に回す一言を言わせていただきます。男は、弱い女性には全力を尽くして守る使命を負っている。そのために体力・知力を磨き上げ、誰よりもその弱い女性を愛し続ける。強く逞しき女性は、私のような前時代のオトコなど必要としていないでしょう。
その愛すべきか弱き女性が、妻なんです。しかし、多分、きっと、単純な私の思考回路を見透かして、手のひらに載せて操っているのは妻なんでしょう。
孫悟空の気持ちがよく判る秋の夕暮れ。
2016.10.8