雑感/退院 〜お仕事。それは絶対服従の戒律なのか〜
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2016.12.7 エッセイ
どうも、acsekitoriことシバク・ドワレです。
無事、退院しました。早速お仕事です。それは愚痴でも、働けない人への嫌味でもなく、純粋にうれしいのです。
働けることの喜び。重たい荷物を運び、汗をぬぐいながら時が過ぎるのを早く感じる。決まった時間の中で、より効率の良い作業をこなし、明日へ疲れを残さぬよう手早く片付ける。
そういう労働をした後に家庭の安らぎの中でくつろぐ一瞬は、なにものにも代えがたい至福のひと時です。
仕事。労働。作業。job。work。呼び方は数々あれど数あれど、働くのは楽しいですね。もちろん、頭脳的に戦略を練る仕事がやりがいがあるのですが、黙々と単純作業をこなしていくのもなかなか達成感があってよいものです。
それは妻も同じでした。
先日、妻が職場のパワハラで退職しました。パートでしたが、単純に仕事内容がいやだから辞めた、と捉えられるのは心外です。パワハラというよりも、犯罪行為に近いものだったからです。
端緒は妻が帰宅時に異様に不安がるそぶりからでした。
最初は、職場に慣れていない緊張からの疎外感、疲れかと思っていました。しかし話を聞くうちに尋常ではないことが判明してきたのです。
具体的に事象を聞き取りしていくと、以下のような内容です。
私は物事を客観的に捉える性格ですし、ここ何年かはあまりに自身にふりかかる数多の災いに、まるで警察官や消防官のように冷静にアクシデントに対処するような死生観ができていますので、淡々と述べます。
事の始まりは、採用後すぐでした。私の居住している地域にあるうどん屋だったのですが、面接ではある程度厨房を経験した後、ホールに出て接客するとの内容だったのです。
それで厨房から始まったのですが、そこには古くから勤めているらしい同じくパートのオバさんがいました。齢は60前後。そのオバさんの不良行為は、妻に挨拶を強要することから始まりました。
挨拶するのは常識中の常識。それは小学生でもします。しかし、その仕方がオバさんの逆鱗に触れたらしいのです。
まず、そのオバさんが先に出社して作業をしていると、すぐ横に行ってお辞儀をして大きな声での挨拶を強要します。本人は耳があまり良くないのか、作業をしているからか、2mも離れて挨拶すると極めて不機嫌になるそうなのです。
「おまえ、挨拶は!!」
と、恫喝しながら、強要です。
それでも、妻はそういう職場なのだろうと、従っていたそうです。
ところが、最初の挨拶の仕方が気に入らなかったのか、そこからイジメが始まりました。妻はおとなしい性格なので、挨拶も作業も少し控えめなところがあるのです。
それでも言われた作業を教えられた通りにこなし、他のパートさんからは褒められていたそうです。
しかし、そのオバさんは少しでも自分の思い通りに行かないと、烈火のごとく暴言を吐き、責任者である店長の指示とは違う作業内容を強要して来たそうです。
パワハラなんてものではなく、恫喝
これ以上はあまり具体的には書けませんが、とにかくいま世間でよく言われているパワハラですね。
私は在宅中・入院中に関わらず、妻のパート労働が終わった直後から内容をスマホで報告させて様子を見守っていました。
しかし、先週ついに妻が泣きながら事象を訴えて来ましたので、これはただならぬ出来事と察知して翌労働日にICレコーダーを持参させ、入店直後からのやりとりを記録するよう命じました。この作戦は妻の提案です。それくらい切羽詰ったのでしょう。
帰宅した妻からの報告で、即座に私が入院している病院まで来させてICレコーダーの内容を精査した結果が、次のやりとりです。
オバさん
「おまえ、あいさつは?」
妻
「しました(おびえ声)」
オバさん
「そんな声で聞こえるか!なめとんか!」
少しの作業の後
オバさん
「おまえ、これでやったつもりなんか? (他のパート従業員へ)おい、これでやってるんやと。信じられんよな。これで45(歳)やで。どう思う?」(ほぼ原文ママ)
そのやりとりから前後して、煮えたぎった熱湯の釜の横に妻が立っている時、わざとうどんを手荒く放り込むようになり、その飛び跳ねた湯で妻は火傷を負いました。
極めてかいつまんでここに記しました。こんなやりとり、現代では大学の応援団でもしません。
これまでじっと我慢して冷静に聞いていた私のタガは、このやりとりの実際の肉声を聞いた途端かんたんに外れました。ここで黙っていては、私が信念を持って生きて来た53年間がまったくの無駄になります。
即座に店長に電話をさせて、退職を願い出させた後で私が代わりました。
挨拶の強要や、呼び方がおまえとの文言までは許容しましょう。しかし、言われたことをこなしているのに年齢を出して幼稚扱いするのは我慢の限度を超えています。
強要罪には当たらなくとも侮辱罪は成立。この事を単にパート間の感情の行き違いだと言い訳する店長にそう通告しました。私は少々気色立っていたかもしれませんが、極めて低い声で、しかし相手には一歩も引かずに言い放ちました。ことを簡単に考えてもらっては困ると。
結果、妻が退職を願い出たときは急すぎてパートのやりくりが困るだの、最低二、三週間前には言ってくれだの告げてきた店長は、私が通告した途端に即座に当日退職を受け入れました。
できるのなら最初からそうせい!
おそらく、このやりとりで妻が退職した後も、そのオバさんと店長は夫が過保護だから妻がそのように幼稚になるのだ、などと金魚の糞会議をしている事でしょう。
それは私の関知せぬ事。好きになされば良い。
しかし、少しでもなんらかの形で我が夫婦に意趣返ししようものなら、私は黙っていません。司直の手を借りてでも、現在の労働環境がどうなっているのかを痛感させてやるつもりです。
少しばかり言葉が荒くなりましたが、オバハンではなくオバさんと書いた私のせめてもの温情を解ってください。営業妨害で訴えられてもこちらも相応の対処をしますので構いませんが、事の公平さをきたす上であえて店名は記しません。
この拙文を読んでいただいた労働者の皆さん、屈する事なかれ。自分の義務を果たした上で、権利は精一杯主張しましょう。窮鼠猫を噛む前に、合法行為で堂々と相手をやりこめましょう。
非正規労働者だからと言って、泣き寝入りするご時世ではありませんよ。
まったくもう、シバク・ドワレ。
2016.12.7