悦楽とあの世/雑感 〜おいでと言われても〜
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2018.2.10 エッセイ 画像:兵庫県養父市道の駅たじま八鹿蔵足湯
どうも、シバク・ドワレです。
最近はさっぱり聞かなくなりましたが、昔は温泉場や銭湯に行くと
「あ〜〜、極楽極楽」
とあちこちで天井に響き渡っていました。なんの苦言でもありません。まったくその通り。じんじんに冷え切った身体を温めるには、湯がいちばんですよね。
良き日本の風習を保全するため、これからも私は叫び続けましょう。
その極楽。
私は、仏教界で呼ぶ極楽浄土には、まだ行った事がありません。
先日呼ばれかけましたが、丁重にお断りしたんです。先方の案内人さんもどうやらひと間違いをしたらしく、私はその後の予定についてまず地獄の閻魔はんと綿密なスケジュールの打ち合わせと飲み会の予定がありますので、場所が違います。
針の山があるのは極楽ではなくて地獄でしょう。登りたいなあ、針の山を。フリーでは怖いので、後輩のNくんでも連れて行きビレイしてもらいましょうか。Yくんにしよかな。
さて極楽とは噂によると、そこに行けばどんな夢も叶うと言い、誰も皆行きたがるが、遥かな世界らしいですな。
それはガンダーラか。
でもまあ、そんな素晴らしい世界なんでしょう。
しかし私には、現実の世界に極楽浄土的ユートピアがある事が判っています。
ベストオブマイゴクラクは、モンブラン八合目辺りから見下ろしたトップオブユアラップの景観。大氷河の下に広がるシャモニーの谷や街並み。その彼方に広がる4000m級の峰々を眼下に収め、他に高いものは目指すサミット以外にないと実感した時、「ああ、これが極楽か」と強く感じたものです。
その後最後のナイフリッジでは暴風雪に見舞われ、ホワイトアウトしてなんの眺望もない登頂でしたが。
地獄には登る山がある
対して、この世で地獄的風景を初めて体感したのは、大学山岳部の一年時に最初の夏山合宿で訪れた、富山北アルプスの立山地獄谷です。
これは、まんまでした。
黄色と灰色の硫黄しかない世界に、怪しくこけしのようにそびえ立つ噴泉塔。
その頂点からは、一定の間隔でドピュッドピュッと白濁した熱湯が噴き出しています。辺りに漂う、毒ガスのただならぬ気配に、見てはならないものを見たような気がして紅顔の美少年だった私は40kgの荷物を担いでいるのも忘れてさっさと通り過ぎました。
今ではすっかり抗がん、いや厚顔のオッさんとなった私は、そこへ再度行きたくても現在は立ち入り禁止になっているようです。
いずれにせよ、地獄も天国もまだまだ先の話にしたいものですな。
昨日、昔語りをする人と気が合わないと冒涜して、舌の根も乾かぬ内の昔語り。
ブログならではですな。イッヒッヒ。
雨が降ると話も湿っぽくなりますようで。
2018.2.10
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