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がん患者とキャンピングカー/自作 バンコン キャンピングカー 〜昼寝して、夕寝をしたあと夜寝する〜

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2018.4.5 がん旅とキャンピングカー考     画像:マイキャンピングカー・ロケバン

どうも、シバク・ドワレです。

同じような記事を何度も上げていますが、今ドッグ入りしているロケバンのおさらいの意味でまとめてみました。

「自作キャンピングカー」

度々私の記事にも、サイドバーの自己紹介にも列記している文言です。自作キャンピングカーと呼ぶと、トラックの荷台などにいちから自分で製作したイメージを持たれるかもしれませんね。

しかし私が現在所有しているのは旧型日産キャラバンの一番大きいやつの内部を自分で架装したものです。正式には「自己改装キャンピングカー」。つまり、普通の業務用ワンボックス車の運転席と助手席はそのままにして、後部スペースをリビングや台所、ベッドに改造しました。

 

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ロケ(屋外撮影)を行うベースとなる車ですので、ロケバンと名付けました。

ロケバスほど大きくないけど、乗用車よりは遥かに機材を詰めますからね。

 

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元の車が福祉車両で、そのための装備は外せませんので純然たる貨物車のようなどんがらではありませんから、スペースは損をしています。

その代わり、貨物車ではドアや天井などが鉄板むき出しなのに対して、総て断熱材が入ったPUレザーで覆われていますので、断熱・防音に優れています。

車中泊経験の無い方はフ〜ンと思われるだけでしょうが、この差が大きい。

鉄板を箱の形にしただけの商用車は、真冬真夏の寒さ暑さは当然として、雨が天井を叩く音や隣に大型トラックが止まってアイドリングをしっ放しの時など、とてもうるさいのです。人間やペットを運ぶのではなく、荷物運搬車両なのですから当たり前ですよね。それに対して車両価格が上がるミニバンは、内装が分厚く仕上げてありますのでかなりの断熱・防音効果があります。

一晩寝るだけなら我慢すれば良いのですが、長旅を続けると、この暑さ寒さとうるささがボディブロウのようにじんわりストレスとなって辛くなってきます。

 

闘病中の旅なら、休息場所がいちばん必要 

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さて、表題の「がん患者とキャンピングカー」。

がんも末期になると重篤な症状を伴うイメージがあるため、一見すると相反するもののような感じがしますね。しかし、がん患者が家か病院で寝たきりにならなければならない決まりはありません。むしろ、体調を万全に整えて雑菌などに留意すれば、どんどん戸外に出て気分転換を図るのがストレス解消になると思います。

もちろん、車に乗るのもままならない終末期ではさすがに私も旅を続けるわけにはいかないでしょうから、そんな想定は今のところ外します。

 

旅。旅行。ツアー。

呼び方は様々ですね。がん患者ですから、体力は元気な頃より落ちています。すると、一般的にはパック旅行やバスツアーなどを選択して、全てを任せるのが楽な感じがするでしょう。

ですが、私はまったく逆です。

最初にお断りしますが、自動車の運転ができない方や諸事情によりパックツアーしか選択する余地のない方々を嘲笑する事が本記事の主旨ではありませんし、旅行社や交通機関の営業妨害をする気もありません。鉄道を筆頭に船も飛行機も、乗り物全般が大好きな私の個人的見解と現状です。

まず、公共交通機関にしろ観光バスにしろルートと時間が細かく設定されており、個人の要望は利きません。当然ですね。では、何も考えずにそれに乗っかってただ身を任せていれば良いか。

否。

そうしてしまうと、下痢や嘔吐、鼻血などの突然の体調不良時に周囲に気を遣いながら自らの処置を狭い不自由な空間で行わなければならず、とてつもない生き地獄を味わうことになります。

それがマイカーだと、停車できるところに止まって対処できるのは言わずもがなですね。そこまでの体調不良でなくとも、キャンピングカーであれば眠たくなれば直ぐに横になれますし、お腹が空けばコンビニなどに寄ってすかさず胃腸の調子を整えることができます。高速道路なら清潔なサービスエリアやパーキングエリアがありますし、下道なら道の駅・スーパーマーケット・コンビニなど買い物やトイレには不自由しません。

三度のご飯にしても同じことが言えます。

パックツアーだと夕食/朝食は旅館の大広間か少し良いツアーなら部屋食ですが、いずれにせよ、決まったメニューを出されます。これがキツイ。健常な頃なら、好き嫌いのほとんどなかった私はそれこそ熊のように総て残さずがっついて食べていたでしょう。しかし今は違います。自分の好きなものを少量ずつ、ちょっとの酒とともに食べたい。バイキングや焼肉食い放題で元を取るべく鬼の形相で食い漁るなどは遠い昔の絵空事です。

昼食にしても同じですね。観光会館や道の駅などのレストランで、ズラ〜〜と並んだ長テーブルに行儀良く着座して、修学旅行の中学生よろしく一人鍋と冷たいオカズ5〜6品を食べさせられる。皆が大人しく同じものを腹も減っていないのに決まった時間に一様に食す姿はブロイラーのようと言えばあまりに失礼でしょうか。

少し口が過ぎましたね。

それがキャンピングカーでのぶらり旅なら、いつでも好きな時間に好きな場所で好きなものを食べられます。乗用車なら外食が主体になりますからツアーと大同小異ですが、周囲を気遣わずに、旅先の我が家の食卓で食べることができるのです。これはいつ胃腸の調子が悪くなるかわからず、一度に大量の食物を摂取する事ができない私には地獄と天国ほどの差があります。がん患者やその家族ならお分かりでしょうが、少量ずつ1日に五回くらい食事をするのが口から栄養を摂る秘訣なのです。

次に、そのような直接的体調管理の他に、公共交通機関だと感染の危険が大いに高まります。特に冬。未だに、マスクなしで咳をする人は少なくありません。外国人や高齢者団体と一緒になると、昔の日本がそうであったように感染病への危機意識が少なく、他人に病気を移すことなど旅行の楽しさで吹っ飛んでいるような気がします。

幼児などもそうですね。子供は可愛くて純潔だとのイメージを持たれていたら大間違い。手を洗わず、拭かずに平気で食物を口にしますし、廊下や地面に落ちているウィルスまみれのおもちゃを舐めていたりします。それがマスクなしで平気でこちらの顔を直撃するように咳やくしゃみをするのです。

これらの保菌者から、我々がん患者は自らの努力で遠ざからないとなりません。神経質すぎるほど警戒しないと、死ぬのは自分です。

少し話はそれますが、私は過去にまだがんを罹患していない頃に大分から大阪へのフェリーに乗船した時、韓国人の団体に遭遇した事があります。その時の彼らの傍若無人ぶりには、開いた口が塞がりませんでした。嫌韓や差別ではなく、事実そうだったのです。公共のスペースで大声で宴会を開き、辺り構わずゴミを捨てる。お国柄かもしれませんが、ここは美の国、日本です。そうでない日本人も多くなった昨今ですが、郷に入れば郷に従え。私は海外へは長らく旅に出ていませんが、もちろん行き先の国の素晴らしき文化風習に敬意を表して従いますし、日本の美しい文化を啓蒙します。国内でも田舎なら田舎なりのしきたりを犯すつもりは毛頭ありません。大阪と山奥は違いますから。

 

 

山は待っている 

私はがんの闘病生活が11年にも及んで、わずかな貯金などとっくに使い果たしました。

それでも、装備は完全に揃っていますので金のかからない登山があります。高校生の頃からずっと続けていた登山を継続したくて再発後も剱岳や富士山に登ったりもしていましたが、それも病状が進み現在はドクターストップ状態です。なにより遭難して出血したら、救急車など入れませんしヘリが来る前に失血死するでしょう。急な体調不良にも、夏休みの有名な高峰以外にドクターやナースは常駐していません。

登山は無理でも、マイカーで旅をしたい。

稜線上からは無理でも、麓から秀麗な山並みを撮影したい。

全国の山々、特に北アルプスは眺めるだけでも若くて元気だった頃を思い出し、感涙に咽びます。涙は出ませんが。しかし新車でも中古でも、市販のキャンピングカーなど買う金はどの袖を振っても出てきません。

それでも旅がしたい。急に体調が良くなったら飛び出して、逆に予定していても体調が悪くなれば取り止めたい。その想いからミニバンの後部をベッドにして旅を続けていましたが、耐用年数が終わりを告げて、廃車のときが訪れました。

そこで、化学療法の合間に働いてなんとか100万円を貯めて中古の福祉車両の程度の良いものを購入し、キャンピングカーへと改装することにしました。

 

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探し始めた時は資金も貯まっておらず、漠然とした夢であった大きな車両。

それが良縁があり、良きディーラー経営者の計らいで、幸運にも早期に入手することができたのです。そして体調が良い時を見計らって自分で工具を使い、安いアンティーク調度品を集めてナンチャッテキャンピングカーに仕立て上げました。

生活用具は家同様に仕上げています。トイレも積んでいますし、手を洗ってコップもすすげます。テレビだって見れますし、大きな冷蔵庫にはビールやワインが冷えています。

が、見栄えは良くありません。使い勝手も、プロが作った5〜600万円くらいするものに比べたら、悪いでしょう。でも、想いが詰まったマイボックスには、夢が溢れています。

 

そう、その夢とは「生きる希望」です。

 

何事も、諦めてしまってはそれで終わり。

しんどいから。

ゆっくりしたいから。

そこで身体を横にしてしまえば、総てが終わる気がしたのです。

虚仮の一念岩をも通す。

アホやと言われても、変わり者と言われても良いんです。

振り返ってみたら、この作業や旅のせいで寿命が縮んだ、と言われるかもしれません。

それでも良いんです。

 

今を楽しく生きる。

情熱を失わない。

それが、私の最大の治療です。

2018.4.5

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