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雑感/オートバイ 〜風になるとき、そよぐ時〜

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2016.10.28 エッセイ

どうも、acsekitoriです。

ペケで田舎道を流して、30分くらい赤信号に引っかからない時があります。その間に、時速60km/hほどで一定の時間速度が変わらないと、時が止まったかのような錯覚に陥る瞬間があります。これが50km/h以下だと遅すぎて風景が止まりますし、70km/h以上だと安全確認に緊張が走りますので、現実に戻ります。もちろんどのスピードでも安全確認はしていますが、その特別な瞬間の不思議な感覚を求めてバイクに乗っているのかもしれません。

もう、峠を攻め立てる激情はありません。ちょうど荒々しく屹立する北アルプスの峰々の岩壁登攀から、壮年期を迎えどんどん岩肌を風化させて丸くなっていく六甲山のトレッキングへ志向が変わっていくかのように、峠のコーナーも田舎道も、流すのが心地良いのです。

 

コツコツとバイクブーツの足音を立てて、6階から地上へと階段を回り降りる。

腰にはホルスターバッグ、右手にはタンクバッグ。

日焼けて半分白くなったカバーを身にまとい、いつも私の足音を聞きつけると嬉しそうにカバーを揺する、XJR400R。

その薄汚いバイクカバーをおもむろに外して煌めく陽光を全身に浴びせてやると、生気が蘇ったかのように光り輝くペケジェイアール。

チョークレバーを手前いっぱいに引き、右手でキュルルルとセルボタンを押しながら軽くアクセルを開いてやる。

ヴウォン。

空冷4気筒が目覚めて、その振動に背後の草たちが一斉に囁き出した。

混合気の濃さにアイドリングが高まり、ヴォーと重低音を辺りに響かせてゆく。

チョークを半分まで戻すと、少し大人しくなったペケは徐々に体温を上げている。

時計の秒針が二周するのを見て、チョークを完全に戻してやる。

ヴゥウォン、ヴヴワン。

 

暖機運転を待ちながら

5,000回転を目処にアクセルを3回ほど捻り、アイドリングが安定するのを待つ。

行儀良く1,200回転でピタリと止まるタコメーター

ここでようやくSHOEIのフルフェイスをかぶり、サングラスにかけ換える。

顎のストラップをダブルのDリングに通した後、グローブに手を通す。

左足をステップに置き、勢い良く右足を振り上げシートに跨ると、私は旅人になる。

さあ、今日も安全に走り出そう。

 

これが、私とペケの始まりの式です。もう旧車の域に片足を突っ込むペケ。今のインジェクションバイクのように、エンジン始動直後に走り出す訳にはいきません。十二分な暖機運転が必要なのです。

 

妻との生活も、充分暖機運転してホットに暮らしてゆきましょう。

2016.10.28

 

 

 

 

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