連載:スキーと車中泊2・雪道走行/自作 バンコン キャンピングカー 〜高鳴る胸、白銀の世界へといざや行かん〜
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2018.11.2 ベストなシーズン3
どうも、シバク・ドワレです。
昨日から始まったスキーと車中泊連載、今日は第二弾の出発・雪道走行編です。
装備編はいかがでしたか?なにもキャンピングカーに限らず、ミニバンや普通車での車中泊にも対応できるように書いたつもりです。
実際に私のロケバンは、キャンピングカーではありますがFFヒーター(換気不要ヒーター)を装備していませんので、防寒具を多めに持って行き対処しています。そのあたりはミニバンでも共通ですね。
ロケバンの利点は車内で調理しやすかったり洗い物ができる点、つまりそれはキッチンスペースとベッドを分けてあり、その間の通路に立てるのが雪の車中泊での最大のメリットでしょうか。
ミニバンなどでベッドの直ぐ横がスライドドアだと、吹雪の中トイレに立ったあと、帰ってからいかに雪を車内に持ち込まないかが快適さの秘訣なのですが、通路があるとほぼその悩みは解消します。
これは夏の車中泊ではあまり恩恵を感じませんが、雪や豪雨のときは本当にありがたい。
あ、トイレもあるのが大いに助かりますね。
詳細は後日の滞在編で。
夕方に仕事を終えて積み込みを済ませて、妻が帰宅したので軽食を摂って出発しました。
今日は某月某日金曜日。
老人徘徊者としては平日に出かけたいところですが、妻は平日が仕事、フリーランスフォトグラファーである私はいつどうなるかまったくわかりません。判り易くするために今回のシミュレートでは健全な社会人、いや企業人のみなさんが休むであろう金曜夜発土日に遊ぶ予定で出かける構成にしてみます。
家を出るときには小雨がぱらついていました。
大阪では鬱陶しい雨も、某高原スキー場では雪になって明日のバージンスノーを約束してくれるでしょう。
昨日書いた通り、既にサンダルでは滑るので不便ですね。
雨にも強い靴で、ソールがギザギザになっていて運転もしやすい靴がベストでしょうか。
高速道路に乗ってワープしましょう
高速道路のIC付近では事故が発生。
帰宅ラッシュと相まって、渋滞がとんでもないことになっています。
これで大幅にゲレンデP着が遅れますが、焦っても仕方ありません。このために軽食を済ませていますので、あとは様子を見ながら適宜SAで休憩してうどんなどを食べましょう。
注意点は、この時間では既に道の駅の本館食堂は閉まっていますので、高速渋滞を避けて下道で走っても、道の駅ではトイレ休憩くらいしか望めません。
しかし下道には天下のコンビニが点在していますので、腹が減る直前に入りましょう。
減ってしまってから探すと、案外無いもんですよ。自宅近くのコンビニやスーパーであらかじめおにぎりやサンドイッチを仕入れておくのもいいでしょう。
実は先ほどの小雨は、今日の気圧配置が西高東低によるきつい冬型のしぐれだったのです。
大阪まで雪雲が来ることは滅多にありませんので油断しがちですが、冬の期間日本海側では晴れよりも圧倒的に雪の日の確率が高いことを念頭に置きましょう。
大雪や暴風警報が出るかもしれないかなりキツめの北西風ですので、高速道路も雪国に入った途端に積雪しています。
チェーン規制が出ていましたが、私はスタッドレスタイヤですのでフリーパス。
四駆かどうかはチェック項目には入っていないようですが、四駆+オールシーズンタイヤだと通れる場合もあるようです。しかし警報級の豪雪時には、完全にチェーンを巻かないと走れない区間も出てきますので、スタッドレスは当然として必ずチェーンも一組用意しましょう。
高速道路は基本的に随時除雪しますので、走りやすさでは3桁国道の比ではありません。
この日は除雪してもすぐに両サイドに吹き溜まりができるほどの降雪量で、これで除雪が追いつかなくなれば通行止めの処置が取られます。
そうなると、初心者や装備不足の車にとっては恐怖の峠越えが待ち構えていますので、天気予報をチェックすることは重要で、警報が出ていたら慣れるまでは中止したほうが賢明ですね。
雪が本降りになる前に、決断しよう
ずいぶん脅してくれるなあ、と思いましたか?
ところがそれは取り越し苦労に終わらず、高速の峠区間が通行止めになっており、サービスエリア手前のICで排出誘導されてしまいました。
並行して走る3桁国道は、このありさまです。まだ降り出してから時間が経っていないのでこの程度ですが、これから朝にかけて除雪車も動きませんので、みるみるうちに乗用車では太刀打ちできなくなるでしょう。
そうなればお手上げです。
はるか遠くの県道などに迂回するか、高速IC近くのコンビニなどで待機するか。
はたまた、君子危うきに近寄らずの精神で撤退し来た道をとんぼ返りするか。
それは、リーダーたるドライバーの判断事項です。
たとえ雪道の運転に自信があっても、相手は大自然です。定型は存在せず、どんな急変が襲ってくるかは判りません。
また、夜間は路肩の吹き溜まりが見にくく、雪が乗っている下には大きな側溝が待っているかもしれません。
そんなところに落ち込んだら万事休す。
いくら強靭な4WDを持ってしても、無理なもんは無理です。夜が明けても、四方八方で同じ状況になりレッカーを呼んでも来るのに半日は待たなければなりません。
くれぐれも、安易に雪の多いところに突っ込まないことです。
そしてなによりも判断材料となるのは、同乗者です。
子供たちは案外白銀の世界に大はしゃぎして、体調はなんとも無いことがままありますが、細君などはこの先どうなるのか?との不安から腹痛を訴えることも珍しくありません。
そのような状況では、現地に無事に着いたとしても車中泊どころではなく、宿が満室なら進退窮まります。
リーダー責任としてあらゆる手を尽くして情報を入手し、無理そうなら次回への楽しみに置いといて、潔く帰宅しましょう。
さて、私はこの道は冬だけでももう何百回も走っており、コーナーの深さも熟知していますので峠越えを決行します。
あれあれ?前を行くミニバンが、左右にふらついて危ないことこの上無い。
若い男子二人連れとおぼしき和歌山ナンバーくん、どうやらスタッドレスが古すぎてグリップしていないようです。夏タイヤであればここへ来るのは不可能ですから、おそらく私の読みでまちがい無いでしょう。
しかも、私が先日さんざんけなした二駆のようですね。
後ろタイヤは唸りを上げて左右に振れるのですが、前のタイヤはただ押されて回るのみ。チャリンコと一緒です。
これではこの峠を越えられるかどうかは、丁半博打ですな。
時速10km/hほどと、超亀の子ペースで走っている和歌山くん。誰でもビギナー時代はあるものですが、今日の路面は教科書にしては少し難解すぎたようですね。
左右に振れていますので、簡単に抜くこともできませんが仕方ありません。こちらも急ぐ旅路ではなし、もしスタックしたら引っ張るのを手伝ってやるくらいの余裕の気持ちで後をついて行きました。
しばらくゆっくりと走り、和歌山くんは博打に強いようで、なんとか峠を越えました。
しかし、下りになった途端にスピードを上げるのは感心できません。本当に世にも恐怖な物語が始まるのは、これからですよ。
私のは四駆ですが、それが威力を発揮するのは主に登りの凍結路。
下りでスピードを出し過ぎたら途端に四輪ともグリップを失い、ガードレール一直線です。こんな峠にはガードレールさえ無いところも多いので、谷底へまっしぐらですね。
クロカン四駆のようなローレンジギアは日産キャラバンには付いていませんので、オートマをいつものPOWERからSNOWモードに切り替えて2速をホールドし、じんわりアクセルを踏んだり弱めたりでスピード調節をしてブレーキはほとんど使いません。
ローレンジがあり、さらにマニュアル車だと、これがさらに強力に威力を発揮して本当にアクセルのオンオフだけで車をコントロールできます。一速ではギアが低すぎて雪を掘るので、セカンドかサードで発進し、徐々にギアをアップしてスピードを出し、5速でも40km/hくらいしか出せません。減速するときはその逆です。
前の婚姻時代に住んでいたナンチャッテ雪国では、凍ればアイゼンが要るのでは?ってくらいの急な坂の上に住んでいましたから、ランクルのロクマルなどでそんな運転をしていました。
基本的に雪道では、急にブレーキを踏むかオーバースピードになるから滑るのです。
それさえしなければ、まるでモーターボートが滑走を始めたかのように浮遊感を楽しみながらドライブできるでしょう。
そのような余裕を持てるようになるには、トレーニングあるのみです。
私が砂浜やダートを見つけたら直ぐに荒れた方へと走らすのは、そのためなのでした。
やっとワインディングが終わり、平坦な集落に出てきました。
ここまでくればもう安心ですが、峠よりも積雪量は増えてきましたね。さすが警報クラスの冬型です。
一息ついたら判断です
なんとかゲレンデがある市の道の駅まで辿り着きました。
既に早くに着いた車中泊のクルマでいっぱいです。もう22時を回ってしまいましたので、これからゲレンデまでの急勾配を登るのは危険と判断、我々もここで寝ることにします。
幸いに今日は正月もとうに終わり、二月の連休前の端境期ですから夜が明けてから登っても、ゲレンデの駐車場もまあまあマシなところに駐められるでしょう。
こんなこともあろうかと、スーパーでトンしゃぶの用意をしていましたので道の駅の施設は真っ暗ですが腹ごしらえには何の不安もありません。
車内で湯を炊くと窓が結露して大変なのですが、マルチシェードというアルミ蒸着キルティングの目隠しを全窓に装着しますので、思ったよりはマシです。
それにバックモニタを常時映して走行しますので、後部視界にはあまり問題はありません。強いて言えばフロント三面と左サイドのスライドドアの結露だけ綺麗に拭いて出発すればより安全でしょう。
腹も満たされたら、次はトイレ。
道の駅や高速SAなら年末年始や大連休さえ外せば、なんとかトイレに近いところで寝ることができます。
しかし屋根の下の通路にも、これくらいは積もります。アスファルトがカチカチに凍っていてこのくらい雪が載っているのが一番滑りやすい。くれぐれも転倒注意です。
小さな子供のみならず、女性軍もテンション上がりまくりではしゃぎますので、リーダーは後ろで優しく見守り、危険が迫れば妥当な案を指示・命令しましょう。
さあ、やっと一夜目の就寝ですね。
昨日サクッと書いたように、寝具は厳冬期用の登山シュラフに尽きます。封筒型の方が寝返りは打ちやすいのですが、首の隙間から冷気が入りますので、熟睡できません。マミー型なら頭をすっぽりと覆って絞れますので、たらこキューピーになった気分で爆睡できます。
ですので夏や春秋のキャンプ用と、雪遊び用のシュラフは分けたほうが無難です。
寝具がチャチで寒いと、ホンマに寝られませんよ。朝までが永遠に続く地獄のような時間で一睡もできず、雪遊びどころではなくなります。
また、FFヒーターが完備されていても、点けっぱなしで寝てしまうと乾燥でノドをやられ、翌朝からの楽しい雪遊びが台無しになる可能性大です。
それとビギナーが忘れがちなのが、FFヒーターもファンを電動させている点。
サブバッテリーの残量を計算しとかないと、翌日のテレビや照明などが全く使えず、ただ真っ暗の中で耐え忍ぶ最低なスノー車中泊になってしまいます。
このようにゲレンデなどで二泊することを思えば、走行充電も使えませんし、吹雪いていればソーラーパネルもあてになりません。サブバッテリーの容量は減る一方、子供達はアニメも見ることができず狭い空間ではしゃいでは怒られてばかりでぜんぜん楽しくない遊びにならないよう、しっかりと車中泊停泊時の計画を立てましょう。
出発時にはサブバッテリーの残量が、少なくともこの画像くらいは欲しいですね。
サブバッテリーが有る無しに関わらず、照明は予備の保険も考えて、登山用の乾電池LEDランタンを積んでおくことを推奨します。こんなに小さいのに明るいなあ!と喜ばれること請け合い。六人用テントより狭い空間なのですから、当然ですね。
それを就寝時の支度やトイレ時に使い、車に備え付けのメーン照明は食事時だけにするなど、工夫が必要です。
あとは、テレビの類。
私のロケバンのように22インチになると、1時間あたり70wくらい消費してしまいますので不効率ですね。そのため、iPadやタブレットがあると、WiFiか4Gさえ入れば動画を観ることもできますので、何時間かはサブバッテリーに負担をかけずに楽しめます。
それと、大人だけならCDコンポの小さいのを積んでおき、音楽を楽しむのも一興です。
外はシンシンと降り積もる雪。
その中で隣家を気にすることなく大きな音でジャズやクラシックをかけると、なんとも幻想的な雰囲気に浸ることができます。なに、雪の吸音力はすごい威力なので、隣の車には聞こえやしません。
小さなキャンドルランタンなどをテーブルに灯せば、クリスマスではなくとも奥さんや彼女はきっとあなたに惚れ直すことでしょう。
そう、雪の車中泊をサクッとこなせるあなたは、間違いなく雪の帝王。もてることもてること間違い無し。かな?
2018.11.2
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