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仕事と闘病と好きな事と私/闘病記 〜退院の前日、翼を得るためにもの思いに耽る夜を越え〜

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2019.3.2 エッセイ

どうも、シバク・ドワレです。

一昨日の立ち仕事と一ヶ月間の脱水のダブルパンチ、プラス昨日の分子標的薬投与でフラフラしますが、おかげさまで白血球数は急上昇し、ひと月前の入院時に近くなるほどデータが好くなりました。

この究極の回復力こそ、妖怪の妖怪たる所以。

それは冗談ですが、大好きなNikon D4をたっぷりと触れたからだと思います。しかも交通費とギャラ付きで。

下へ続く

好きこそ物の上手なれ

さてみなさんは、自分のお仕事が好きですか?

それとも、生きていくには仕方ないからですか?

人それぞれですが、私はフリーランスとしてのプロフェッショナルフォトグラファーと、ライター(だった)稼業が大好きです。

もちろん楽しいことばかりでは無く、病気に罹る前から体力的にしんどい撮影や取材も多々ありました。

いや、こう言ってはデスクワークの人に失礼ですが、常にあらゆる現場に臨場する現業ですから、事務職では考えられない危険・キツい・汚いの超3K業務が多かったのですが、それに誇りを持って取り組んできました。

 

独立して景気の良い時も、社長椅子に踏ん反り返って社員を使う事など真っ平御免で、常に現場を走り回ってきました。そうする事に、身の毛がよだつほどの興奮を覚えるからです。

山岳部の後輩ならともかく(失礼!)、司令塔と化して雇った社員を顎でこき使うなど、私にはできません。私の汗を流す現場を取られるからです。走ってナンボ。

 

しかし登山と一緒で、やってる時はツラくてシンドくても、やり終えた時の爽快感、並びに達成感と生ビールは何よりも幸せでした。

 

いま、闘病と仕事を同時進行していますが、

あ、スンマセン。違いますね。

いま、遊びと闘病をめちゃくちゃして、ちょびっとだけ仕事してますが、その体力的に弱った状態での仕事でも、やはりシャッターボタンを押す瞬間、いやそれ以前にその日撮る絵ヅラをお客さんと打ち合わせする時から、私はワクワク感が止まりません。

本当にカメラを触ることと、それにより写し出される画像が好きなのだと思います。

 

当たり前ですよね。

誰に強制された訳でもなく、自ら選んだ仕事ですから。

が、例え親が写真館などを経営していて跡を継いだのだとしても、やはりカメラに携わる商売ができて幸せだったろうと断言できます。

 

ところで、昨夜妻とLINEチャットにて、退院前夜の感情吐露をしとりました。

その中で、私が今受けている抗がん剤治療もカメラマンの業務と一緒であり、誰に強制された訳でもなく自分から選んだ道や、と話しました。

 

世界には70億人くらいの、私とは違ってホンマもんの地球人がいるのでしょうから、その中には

「自分だけはガンになんかならない。事故になんか遭わない」

と考える、脳内お花畑の人も少なからず存在するでしょう。

まあ。よいでしょう。

その中にも幸せなことに、病気にも事故にも遭わず死んで行く人も大勢いるでしょうね。

 

しかし私はそのような幸せものを妬んだり、自分が死を考えなくてはならない病気に罹った事をひがんでもいません。

嘘やないです。

リアルな私をご存知のラッキーな方達は、何を今更。と思われるでしょう。

それくらい私の存在そのものが、春先の陽気に釣られて乱れ咲くお花畑ですから。

 

なら、その脳天気を活かして抗がん剤治療などせずに、自らの免疫力でがんを治したら?と思われますか?

そこはいくら宇宙人、いや妖怪と言えども、ちょっとだけ正常なる地球人的脳神経も持ち合わせているのですよ。

そんな事したら、ツーリングにもキャラバンにも行かれへんようになる。

何故なら、全身のリンパ管を駆け巡る青春真っ盛りのがん細胞達が、たちまち私のホルモンを生焼けのまま食い尽くすに決まってるからです。

 

私のブログには様々なジャンルを設けてあり、毎日まいにちアップしてもネタが尽きないよう、姑息な仕掛けが施してあります。

仮に車中泊ブログなんかに特化してたら、1か月も入院してたらたちまちネタ切れで、良いとこ週一の日曜朝のワイドショーくらいのブログになっていた事でしょう。

 

しかし私には闘病記との、特権階級のみが持ち得るブルジョアジーに満ち溢れたネタがあります。そこでお涙頂戴の、辛いよう。。。クスンクスン記事に仕上げた方が同情票は多数獲得できるのでしょうが、辛くないもんは仕方がない。

 

そら、痛いしババは漏らすしで、たいへんではありますよ?

 

しかしそれが、私の医学的興味をそそるには十二分過ぎて、辛さなんかよりその詳細を論文発表するほうに傾倒してしまうのであります。

セルフ人体実験。

臨機応変、do it yourself

その記事内容を一度でも読まれた尊いお方は、あまりにも詳細を写実してあるが故に、却ってリアリズムから遠く離れたあちらの世界に行ってしまうかもしれない。

辛いよう、しんどいようと書いてあるほうが身近な闘病と感じて、それらの方々と病気についてをリアルに見えるのかもしれませんね。

私の文章が下手くそな所為でしょうが、あまりに論文的だと、となりのオッさん感が喪失されて、どこか遠く異国の地での出来事と思われてしまうかもしれません。

 

それは私の不徳の致すところですが、それで良いと思います。

なんとかマオさんに代表される、悲しくも切ない闘病記は私のキャラには合致しません。

時々私小説ジャンルにて、妻の介抱と私、的な掌編でカリフォルニアの240Z戦士であるオレンジさんを泣かせていますが、それらはあくまでも小説です。

それをエンターテイメントと言い切ると不謹慎なのかもしれませんが、フィクションとノンフィクションのトワイライトゾーンに酔いしれてくだされば本望です。

 

おそらく私は現在、がん患者としては、交通に置き換えたら重大事故の現場に当事者として遭遇している身体状況なのでしょう。

その現場で起き得る事を常に予測しているか否かで、臨場での判断に大きな差が出ます。これからの人生を左右する事象に遭っているのだから、パニックに陥ったり辛さを嘆いたりしている時間はありません。

即座に周りを見渡して、最良の手段・処置を施さなければ事態は酷くなってしまうのです。そのために、好きなことをしながら毎日精神に余裕ができるよう、逆修行をしとるのですよ。張り詰めた神経など、直ぐに切れてしまいますから。

 

フリーランスになって24年、それまでの宮仕えの時にも休みの度に山登りや車中泊ばかりしていましたから、おそらく車中泊も3000泊は優に超えているでしょう。

それを知った人は、シンドイのにようやるわ、と呆れますが、それも自分が好きだから。

 

シンドくても痛くても、自分で決めた道ですから、辛くなんかないのですよ。

2019.3.2

 

ご閲覧ありがとうございました。よろしければ他の記事も覗いて行ってくださいね。 自作キャンピングカーと大型オートバイを中心に、夫婦での旅記録が主な内容です。

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