車中泊の1日・実際の行動ロールプレイング/キャラバンの実際 〜やってみて、嫌なら辞めればよいのです〜
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2019.8.27 車中泊シミュレーション
どうも、シバク・ドワレです。
今回は、当方のブログを車中泊のキーワードで検索して初めて覗いてくれた人のために、そして車中泊のためにミニバンにベニヤ板とイレクターパイプでベッドを作ったりキャンピングカーは買ったけど、まだ実行した事ないので不安があるなぁ、って方のために車中泊での1日の様子をお届けします。
おかげさまで私の拙いブログでも、がん 車中泊や、がん ツーリングのキーワードでググると上位に表示されるからか、毎日たくさんの方に検索により訪れていただいています。およそ9割の方がグーグルやヤフーなどの検索サイトからの来訪だと、データは示しております。
全世界の日本語が堪能な方、お待ちしております!
この記事はかなりの長文ですが、一つの読み物ですから分割せずに一気に書き上げますので、お付き合いのほど宜しくお願い致します。
さて、車中泊の1日と言っても、泊まりの様子ですから夕方から朝までのシミュレーションです。旅館で言うと、チェックインからアウトまで。
私の36年の実体験をもとに、架空の場所で想像上の四泊五日、内一泊を山岳リゾートの施設で泊まる贅沢なクルマ旅を組んでみました。かなりリアルな写真で現実にある場所設定ですが、この記事はあくまでもフィクションですので、実際には存在しない施設の組み合わせなども登場します。
現地に行って、アレ?温泉無いやん!みたいな事にならないようご注意を。
下へ続く
やってきました、スイスに負けないリゾートの入り口です
ここは、日本でも有数の山岳リゾートを間近に控える駐車場。
そのリゾートはマイカー乗り入れ禁止なので、ここに車を駐めてバスに乗り換えなくてはなりません。自宅を出たのが朝の7時ですから、もう8時間もハンドルを握り、少々疲れました。
シャトルバス乗客用の駐車場は、コインパーキング形式になっているゲートをくぐると、後はどこに駐めても良い自由席方式です。
夜間は管理人さんは居ないので、なにかトラブルがあれば連絡は電話でする事になりますが、ゲートで守られていますから変な車両は入ってこないので安心です。
大多数、って言うかほとんどの駐車車両は同じようにリゾートへ向かう観光客か、さらに上の高峰への登山者ばかりですから、車中泊者同士のトラブルや暴走族の来襲などは聞いた事ありません。
無事にトイレから程よい距離の、端っこのスペースを確保できました。
トイレから遠いと土砂降りや雪の時に難儀しますが、あまりにトイレの直ぐ横だと人の出入りが激しくて、落ち着きません。また、トイレの直ぐ近くは障害者用スペースの表示がある事が多いですが、そこには例え年配であっても、一時的な駐車しか許されません。雨に濡れるのが嫌だからと、屋根の下にある障害者用スペースを一晩独占するなどもっての外です。
後ろは緩衝帯になっており他車はいませんから、リアのゲートを開けてタープ代わりにし、少しの間だけ一服します。向こうにキャンピングカーが駐まっており、サイドオーニングを出していますが、それはご法度。2台分を占有する行為は有料駐車場では、犯罪ではありませんが民事上の不法行為です。
もちろん道の駅や高速のサービスエリアでも絶対にしてはいけません。オーニングやタープを使いたければ、オートキャンプ場へ行って下さい。
ここには道の駅のような飲食店などはありませんが、嬉しいことに天然の立寄り温泉施設が併設されています。
早速着替えとタオルを持って、奥さんと疲れを癒しに寄りましょう。
この温泉には、千円追加するだけで貸切になる家族風呂がありますから、誰にも気を遣わずに疲れを取ることができます。
長くドライブをしてきましたし、これからは狭い車中で寝るのですから、思い切り腰を伸ばしましょう。上がったら施設の座敷で寝るまで弁当を食ったりテレビを観て過ごす手もありますが、今日は車内で湯沸かしをしますので、ぼちぼちクルマに戻りましょうか。
これは懐かしのミニバンである、トヨタグランビア改キャンピングカーの車内ですが、昼間はこのように足を下におろせる座席モードにすると、血行が阻害されません。
ずっとベッドにしていると身体にもよくありませんし、気分を変える意味でもバリエーションが欲しいですね。
こちらは現在のロケバン。
この方が、長く正座をしたりあぐらをかいているよりも足の負担が少ないから楽なのです。ベッドのセット/解体の手間はかかりますが、こうやって姿勢を変えることがエコノミークラス症候群を防ぐ手段になります。
明日は朝早くからバスで山岳リゾートへ向かいますから、皿洗いなどを避けたいので今日は本格的な調理はやめて弁当にしました。
ヤカンで湯を沸かすくらいなら、ミニバンやコンパクトカーをベッドにしただけでも、RVボックスやコンテナなどの荷物入れの上に載せてできますね。ただし、換気には絶対に気を付けてください。二箇所、窓を開けて空気を流すことが重要です。
お湯は多めに沸かして、ポットやサーモス水筒などで保温しておくと、食後の紅茶などが直ぐに飲めます。ちょっとした事ですが、二度手間を防ぐのが狭い車内で調理をするポイントです。
普通車の運転席で食べるのと違って、こうやって大きなテーブルカウンターでくつろぎながら味噌汁を足すだけでも、ずいぶん満足感が上がります。もう秋も進んできましたので、車内で温かいものを口にできるのは幸せです。この日は鍋に湯を沸かし、パックおでんを温めて足しました。
でも、くつろぎ過ぎて汁やオカズを床にこぼさないようにしましょう。ゴキブリやアリを呼ぶキッカケになります。
ゆっくりと夕食をいただき終えたら、ベッドモードにチェンジしましょう。
こうやって気分を変えることにより、長い秋の夜も変化に富んで退屈しません。ベッドセットの力仕事は男の担当です。その間に、奥さんには利用者専用の分別ゴミ箱に弁当殻を捨てに行ってもらいましょう。
くれぐれも、飲料販売機横のドリンクゴミ箱前に生ゴミや弁当殻などを捨てないでください。見た目が悪いばかりでなく、野良猫やカラスを呼び寄せてしまい、車中泊がとても不快になってしまいます。
トイレを済ませて、枕も並べました。
いくら明朝が早いと言っても、まだ午後7時前です。オトナが寝るには少し早いですね。ゲートの中ですし、もうクルマを移動する事もありませんから、寝酒でも楽しみましょう。アルコールを飲まない奥さんのために、ソフトドリンクも忘れずに。
キャンドルランタンの揺らめきが、明日から眺める3000m峰のモルゲンロートを想起させて良い夢を見れそうです。
酔っ払って寝落ちしてしまう前に、テレビで天気予報をチェックしましょう。
ここは山間部の入り口ですが、幸いに何局かは地上波が映ります。19時前の地元ニュースで、明日の天気を確認して、装備が足らなければプラスします。クルマからバスへの乗り換えだと、傘やレインコートを忘れがちです。
高い山には登りませんが、トレッキングだけでも濡れたら風邪を引いてしまいます。
テレビを観るのに、今日はsuaoki のリチウムイオンバッテリーを使いました。
私はいろんなサブバッテリーを装備していますが、これから始める人は軽量かつ容量が多目の、こんなバッテリーが便利ですよ。
これ一台でAC電源100Vも、カー電源であるDC12Vも、スマホを直接充電できるUSB端子も装備していますからとても便利で、40アンペアありますから一晩の生活には充分です。もっと大容量の製品もありますが、4~5万円くらいしますから、たまに使うだけなら投資と実益が適っているか微妙ですね。
この製品ならその4分の1程度で購入できますので、初体験として試すにはちょうど良い塩梅です。
一緒に、折り畳み式のソーラーパネルがあれば、盤石です。
本来は外で直射日光を当てるほうが充電しますが、走行中に窓に押し付けているだけでも、それなりに充電はしてくれます。
キャンプ場でAC電源が無いところには、必須ですね。
寝酒のつもりが、本格的に飲んでしまいました。
刺身などの生鮮物は移動中に傷みやすいですが、冷蔵庫で冷やしながら持ってきたので新鮮です。同じくビールも冷酒もキンキンに冷えていますから、温泉上がりの喉を充分潤してくれました。
冷蔵庫が無ければ、クーラーボックスにスーパーで貰える氷を詰めて間に生鮮物を入れるだけで、真夏でもその日なら充分持ちます。開け閉めはなるべく控えめに。
あと、スーパー氷は融けると水漏れしますから二重にビニール袋に入れるなどの対処をしないと、冷蔵庫やクーラーボックス内がびしょびしょになり、ひどい時は刺身まで濡れてしまいます。
この日は飲んでますからもうクルマは動かせませんが、人里離れた暗い道の駅で単独の時、または駐車場にタイヤのスリップ跡が多数付いている時などは強盗や暴走族が来る危険性がありますので、酒は飲まずに移動も考慮しておきましょう。
この際に重要なポイントは、運転席と助手席に荷物を置いておかない事です。
周りが騒々しくなってきてそれが暴漢だった場合、荷物の整理などしている余裕はありません。いつでも直ぐに出発するために、フロント部分は昼間と同じにしておきましょう。
同じ理屈で、いつでも直ぐに車外に出られるよう、寝る時は暑ければTシャツとハーフパンツ、春や秋はトレーナーとスウェットパンツくらいにするのが無難です。下着姿なら、警官に職質を受けた時に不審者扱いされかねませんよ。
年配の方には自宅と同じ格好で無いと寝られない、との理由で本物のパジャマで駐車場や道の駅内をウロウロする御仁もおられますが、ここは旅館ではありません。ホテルでも格式のあるところでは、廊下などのパブリックスペースはパジャマ禁止です。
本来なら宿泊目的ではなくて道路移動者の休憩のためにある公共トイレの中で、パジャマで歯磨きをしてそのまま出てくる御婦人を見かけますが、あまり見目麗しい姿では無いですよ。
自分たちだけ楽しめばそれで良い、ではなくて周囲に気配りするくらいの精神的余裕が無いと、車中泊が単なる住所不定の車上生活者になってしまいます。
堅苦しいようですが、自由と横暴を履き違えては、単なるDQNですぞ。
車中泊の真髄は、予約をせずにいつでも飛び出して車内で生活を完結し、翌朝早くから活動できる点にあります。ホテル代がかからないから、安くつくから、だけの理由で自己本位な車中泊を続けていると、そのうち手痛いしっぺ返しを食らうでしょう。
極端ですが、私は車中泊旅にも高級リゾート並みの節度を持ってこそ、快適な旅を楽しめる要素が生まれると常に節度ある停泊を心掛けております。
私が始めた36年前と比べると、停泊地は夢のように増えましたし、それに伴って車中泊をする人も膨大に、まるでブームのように増えました。なにごとも、ブームになると見よう見まねでルールやモラルを守らない、不心得者が出てくるものです。
特に私の趣味である車中泊、そしてそれをする本来の目的である登山・スキー・キャンプなどのアウトドア活動、そして仕事でもある写真撮影には案外変な人が多いです。「変わったヒト」では無くて、「(脳内が)おかしいヒト」が目につくのです。自分本位で他人の行動は無視して横暴に振る舞ったり、人様の土地を荒らしたり。
登山でおかしい人が居るのは意外かもしれませんが、ブームのトレランやMTB愛好者の中には、下にハイカーがいても御構い無しに高速で駆け下りてくる輩も存在します。山の中で交通事故の心配までする時代になったのです。
ファンからマニアくらいまでは良いのですが、いわゆるオタクと呼ばれるようになると、自己の目的達成のためには周囲が見えなくなるのでしょう。
何も私が昔からしているから、偉いのだ!年功序列だ!とぶっているのではありません。私はブログ以外では、リアルで他の車中泊者と触れ合うことはしませんから、偉そうにしようがありません。
少々山の駐車場での美酒に酔ったのでしょうか。
愚痴が過ぎましたね。車中泊からかけ離れてしまいました。
この夜は、飲む前にトイレにやや近い一つ前の列が空いたので動かしていました。
このように、停泊地内でも周囲の環境で移動させるケースは多いですから、飲酒はよく考えてしなければなりません。例えば、隣の車が夜通しアイドリングをしたり音楽を流したりしてうるさい場合などは、端っこなどに移動させないとうるさくて眠れません。
寝る前には歯を磨きましょう。
こんなちっちゃなシンクでも、車内にあれば歯磨きや手洗い、ビールの泡が付いたコップなどをすすぐ事ができます。
高価なショップ製品を買わなくとも、数千円で自作できます。
さあ、今日は平和なので何のトラブルも無く、ぼちぼち寝るとしますか。
下へ続く
朝は簡単に済ませて
早く寝たので、5時には起きれました。
朝食はガッツリ食べないと1日のパワーが出ないという方もおられるでしょうが、ここは旅館ではありません。
しかもこれからバスでワインディングロードを揺られますから、腹七分目くらいにとどめておく方が賢明です。カットサラダを前日の買い出しで買っておき、食パンは専用のオーブンなどを使わずとも、フライパンで軽く炙るだけで充分。
せっかく買ったホットサンドメーカーを使わないと勿体ない!って思っても、そんな事をしていたら乗るバスがどんどん遅くなり、せっかくの山岳リゾートでの滞在時間が短くなってしまいます。それらのキャンプギアは、オートキャンプ場でノンビリと使ってくださいね。
出発準備がモタモタして遅れてしまい、都会を早朝に出た観光客と一緒にバス待ちに並ぶなら、前泊した意味がありません。
朝食が終わったら、元の座席仕様に戻しましょう。
リゾートから降りてきても直ぐには帰らず、違う道の駅でもうニ泊して楽しむ予定ではありますが、いつでも出発できるように整えておくのがクルマ旅の鉄則です。決して寝散らかした枕やパジャマが散乱したままで放置するようなだらしないことは避けましょう。
心がけ一つで、貧乏旅行にも快適アクティブ旅にも変わり得るのが、車中泊です。
さあ、出発の準備も整いました。
フロント席にセカンドバッグやポーチなどを置いていませんか?車上荒らしは、少しでも効率良い車を狙いますので、見えているモノを求めて物色します。それが例え中身は空のバックであるとしても、窓を割ってみないことには判りませんから、隠す事が肝要です。
小銭の放置も同様にしてはならない禁忌事項です。たった三百円のためにでも罪を犯すのが、悪人です。
ドアロックはしっかりと全部のドアにかけましたか?
最近の車はスマートキーが主流ですが、リモコン式のキーレスドアロックの一部には、例えばリアゲートが半ドアで開いていても他のドアの施錠ができるものがあります。私のロケバンは、どれかが開いていたらリモコンが反応しませんからその心配はありませんが、不安な方は自分の車がどんな仕様かテストしてみてください。
あり得なさそうであるのが、リアゲートを開けてバンパーに腰掛けてトレッキングシューズを履き、そのまま登山に出かけてしまうことです。何回か見かけたことがあり、まだそのドライバーが近くにいれば声掛けしますが、無人でリアゲートが開いたままの時もありました。
本来なら一冊の本にも仕上げられる、案外奥が深い車中泊。
それを7100文字に収めましたから、速足のかけっこ競争みたいになりましたが、実際にはもっとゆっくりと時が流れます。
ホテルや旅館では味わえない、お仕着せではない手作りの旅の良さを、どうか車中泊で味わってみて下さい。
少年の頃に夢に抱いた、秘密基地を自分で作り上げて中にこもる。そんな懐古の美徳が、きっと貴方を待っていますよ。
さあ、準備万端に整って、少し重たいザックを担いで始発から3番目のバスに無事乗車できましたね。
いってらっしゃい!
2019.8.27
ご閲覧ありがとうございました。よろしければ他の記事も覗いて行ってくださいね。 自作キャンピングカーと大型オートバイを中心に、夫婦での旅記録が主な内容です。