秋真っ盛りキャラバン2019・第2部 東京静岡編 静岡SA〜藤枝市〜川根本町/ロングキャラバン 〜古きを訪ねて古豪に癒され、新しき生命の力をいただく〜
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2019.11.3~5 ロングキャラバン 駿河滞在
どうも、シバク・ドワレです。
愚痴愚痴言いながら東京見物を終えたのち、疲れた身体にムチを打って静岡サービスエリアまで走り抜いて爆睡した、我々変わり者夫婦。
日付が変わる前になんとかベッドを整えて、キャンドル風電池ランタンの灯でやっと落ち着き、焼酎のグラスを傾けます。
朝の冷え込みをモノともせず、10時くらいまで寝倒しました。
11/3。
もう既に何月何日なのかまったく判らなくなっていますが、どうやら三連休の中日で日曜日のようです。私の東行きの最大の目的である、いつもの大井川鐵道に向けて、まずは近くのスシローにて腹を満たしました。
昼飯を終えて、三日分の食糧をスーパーで買い出しし終えたらもう真っ暗でした。
昨日の高速道路走行で、少しタイヤに違和感を覚えましたので空気圧をチェック。すると、やはり減っていましたので直ぐに車載のエアポンプで補填します。
いくら疲れてきていても、運転に於ける注意力を散漫にする事態だけは避けなければいけません。
今回は2泊する予定の私の定宿、静岡県川根本町の道の駅川根温泉に着きました。
本来、道の駅での長期滞在はタブーでしょうが、金を落としまくる所存ですので許してもらいましょう。
この道の駅川根温泉には、もう10数回訪れていますが、そのヌルヌルの泉質は関西では味わうことができない名泉です。しかも、一度入浴料金を支払えば、当日限り再入浴が可能ですので、キャンピングカーでの旅にはもってこいです。
横から聞こえる他人の立ち話を聞くともなく聞いていると、長期の車中泊をする人の中には足湯だけで済ませて少しでも節約する人もいるみたいですが、私はできるだけその施設にて食事や入浴をして、少しでも売り上げに貢献したいと思っています。
この日は到着が20時を超えるのが判っていましたので、夜食は買い出していました。
レストランは19時30分でラストオーダーを終えていましたので、正解です。発泡酒だけ自動販売機で求めて、せめてもの貢献を。館内でのビールは高いので、発泡酒ですが。
何と言っても、温泉から上がってすぐの一杯は最高ですね。
これが違うところへ移動、もしくは帰宅しないとならないのなら、この至福は不可能です。宿に泊まっているのなら当たり前のことですが、長旅のあいだにそんな贅沢は何度もできません。
こんな車中泊ばかり続ける長旅は、テントでの山登りを高校生の頃より続けている私にはまったく苦でもなんでもないことなのですが、あまり裕福では無い家庭に育った妻も同様で、宿でないと嫌だとは言いません。もっとも彼女の場合はそもそも旅自体をしたことが無かったので、5年前に初めて車内で寝泊まりした時には珍しくて目を輝かせていたものです。
旅に贅沢を求めだしたらきりがありませんので、よほどの悪天候時か体調不良時のみ、ホテルなどを探すことにしましょう。
21時で温泉本館は閉まりますので、館内のテーブルでゆっくりすることはできませんが、すぐ横の駐車場には我が動く別荘であるロケバンが待ってくれています。
相変わらずごちゃごちゃと乱雑な車内ではありますが、狭いながらも楽しき我が家。
手作りの棚などのおかげで夫婦二人には充分なスペースですが、これから真冬にかけてはウェアとシュラフが相当かさばりますので、それ以外の遊びの装備は減らさざるを得ません。
しかし、それも雪山でのテント生活を思えばこのような狭さでも天国です。
この温泉は源泉の温度が48度くらいあり、それが贅沢にもドバドバと掛け流しで豊富に流れ出ていますので、とにかく温まります。慣れていない人は源泉から直の45度岩風呂には入れないでしょう。
そのおかげで車外は既に摂氏10度を下回っており、とてもくつろぐ雰囲気ではありませんが、車内ではまだまだ暖房など不要です。
真夏には殺人的に苦しめてくれるディーゼルエンジンの余熱が、これからの季節にはとてもありがたい。私にとっての、車中泊ベストシーズンの開幕です。
下へ続く
遠くの汽笛を聞きながら
11/4。
もう、ここに何度訪れたでしょう。
まだ冬の気配と言うには早すぎるので、白く蒸気を吹き上げることはありませんが、この区間には道の駅があり、露天風呂からSLが見られるのを売りにしていますので、平坦な線路ではありますが機関助手がサービスで石炭を多めにくべてくれます。
ですので、暑い時期を外せば、なんとかそれなりに煙を写しこむことが可能です。
機関士も乗客も、沿線で見守る我々も、皆が一体化するうれしい瞬間。
遠くで汽笛が鳴り、それを聞いて鼓動が高まる。
まだ見えぬ機関車に心揺れながら、ファインダーにて露出の最終確認。
煙だけが先に見え出して、続いて機関車が遅れて姿を現したとき、私は初めて蒸気機関車を眺めた4歳の頃に戻ります。
知らぬ同士が手を振りあい、お互いの旅の成功を祈る。
こんな心温まる風景が日本から失われつつあることに寂しさを覚えますが、まだまだこのような温故知新を肌で感じる光景は、全国に数多くあるのです。
この大井川鐵道は、大井川の雄大な流れに沿っていますので勾配はそれほどきつくないのですが、やはり小さな機関車で連休仕様の長い客車を引っぱるのはしんどいようです。
ですので、最後尾には電気機関車が力強くプッシュしており、その運行を助けています。石炭と電気の違いはあれど、お互いにもうとっくに引退していてもおかしくない古豪たちのがんばりに、私も負けてはいられません。
正午過ぎの下り列車を撮影し終わり、この日二回目の入浴を楽しみました。
上り列車まで3時間ほどありますので、その間に妻と豚シャブを車内にて食べて、レストランには夕刻に行くことにしました。日が差すとまだ車内は温室効果で暑いくらいですので、豚肉が痛むのを防ぐためです。
この大井川鐵道が他の保存SLと大きく違うのは、トーマス号が走ることでしょう。
三連休でもありますし、この日も多くの幼児がパパママに連れられて、大歓声を送っていました。
私たち夫婦は孫とは無縁ですので幼き子供との触れ合いはありませんが、私がそうであったように、その小さな子供たちもいくつになっても列車が好きでありますように。そうでないと、日本の公共交通機関は役割を終えてしまい、運転免許が無い者には住みづらくなってしまいます。
トーマス君も、同じように後ろから押してもらっています。
専用に塗られたオレンジの客車は、土日祝だけ運行されるトーマス列車だけのもの。ちょっと焦げ茶色の電気機関車とはミスマッチですね。
これでこの日の撮影は終えて、三回目の露天風呂へ向かいましたが、少し湯あたりしてしまいました。
明けて、11/5。
もう連休は終わり、道の駅も休館日です。ですので、常備しているアルミうどんをササっと作って朝飯としました。分けて食べないと腹が爆発するようになっている長旅中の私には、この量で充分です。
この時期になるともう虫がいないので、夜でも昼でも窓を全開にして網戸も付けずに換気できますので、車内での煮炊きにはベストシーズンです。
腹を満たしたあと、道の駅から2分も離れていない「SLの見える丘公園」より、臨時列車の可愛い三両編成の列車を撮影しました。
この電気機関車は、もともと秩父や武蔵野にある西武鉄道でセメント貨車などを引っ張っていたようです。
こんな幼き頃を回想させる、胸の奥がキュンとなるようなのどかな風景が、いつまでも続いてくれることを願います。
この撮影ポイントには、10台ほどですがちゃんと駐車場がありますので、他車に迷惑をかけることもありません。
この日は電気機関車の臨時列車を撮りましたが、このようにズームを引くと赤い鉄橋をのんびりと渡る列車の全景を俯瞰で撮影できますので、もちろん蒸気機関車の煙を全部入れるのにも最適です。
さあ、もう長い旅もそろそろ終わりが見えてきました。
手足の指の痛さはピークを迎えてきましたが、好きなことをしているとそんなのも忘れてしまいます。
明日はどこをさまよいましょうか。
2019.11.10記
ご閲覧ありがとうございました。よろしければ他の記事も覗いて行ってくださいね。 自作キャンピングカーと大型オートバイを中心に、夫婦での旅記録が主な内容です。