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山行記/海の日にトレッキング 〜いざ上高地へ!〜

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f:id:acsekitori:20180523173511j:plain2016.7の出来事

 

どうも、シバク・ドワレです。

昨年秋からプランを温めて、年初より幹事として張り切ってきた上高地への山旅に行ってきました。高校山岳部OB会の有志を募り、総勢10名のプチ団体旅行です。大げさですが幹事会は3人で行い、募集は先輩へ依頼して交通手配はプロである同期生。私は現地でのコーディネーター兼CL(チーフリーダー)です。

 

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2年に一回は同窓会的総会を街の飲み屋で行っており、まあ仲の良いOB会なのですが、一番の年長者である一期生は卒業して既に40年が経過しています。

もちろん、それぞれの家庭や仕事があり、ライフスタイルも様々ですので山を離れた方が大半です。昔を思い出していただく意味でトレッキングのアドバイスから始めました。今でも現役で山に登っているのは、もうひとりの幹事の先輩と私だけですので。

40年山から離れている人は仕方ないとしても、とても大学山岳部を出たとは思えないほど山のことを忘れているメンバーもおりてんやわんやです。トレッキングシューズの必要性を説き、レインウェアはゴアじゃなければとても不快との説明も入れましたら、ゴルフや釣りのウェアでも似たようなものがあるで〜と、なんとか皆さん装備を揃えてくれました。トレッキングシューズは買い物や散歩、仕事でも重宝しますよとアドバイスしたら、ほとんどの人が新規購入していました。

幹事だけで5回は打ち合わせと称する飲み会をしたでしょう。それぞれの山への想いやOB会の運営方法について白熱した議論を重ねていると、がんの治療の苦しみなんかどこかへ吹っ飛んでいました。やはり好きなことをして暮らすのが一番ですね。これで仕事をリタイヤできたらもっと楽なのですが、そうすると今度はモチベーションが下がって良くないと思います。まあ好きな仕事やし、頑張ります。食っていけませんし。

なんやかんやとバタバタしながら、出発当日を迎えました。お一人、最年長者の元顧問女史が前日に腰を痛めて欠席されましたが、ほぼ予定通りのメンツ。今回最年少の私が、いちばん山の経験が深くて現在も登っているのと、上高地へはここ最近毎年のように訪れている理由からCLを拝命しました。朝の挨拶を元気良く行い、いそいそと新幹線に乗り込みます。背中にザック、手には大量の缶ビールをひっさげて。

 

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私は、本音を言うと経費を安くするために現地集合もしくはレンタカーでハイエースを借りて全員乗って割安で行きたかったのですが、某先輩の「そんなん窮屈やしドライバーが酒飲まれへんから嫌や」との鶴の一声でJRになりました。

確かに、運転役は私に回ってくるに決まってますし、皆でワイワイと修学旅行のような電車旅もとても楽しかったので良かったです。

 

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名古屋でワイドビューしなのに乗り換えて松本へ。

期待が高まります。ここからは、ちょっと贅沢ですが予約を入れていたジャンボタクシーに。これだと、上高地へ直接入ってくれるんですよね。マイカー規制はもちろんのこと、松本電鉄で行っても終着の新島々からはバスに乗り換えないといけませんので大人数だと面倒なんです。

途中で大正池へ寄ってもらいました。路線バスだとこうはいきませんね。いつもはバスで素通りしているこの景勝地へは、大学山岳部の現役以来30何年ぶりです。

 

いざ上高地へ 

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週間予報では、3日間とも雨マークが付いていましたが、初日はかろうじて晴れ間ものぞきました。

こういう景観を望むためにここまで来たんですから、とてもラッキーです。まだ奥穂から前穂への稜線は雲の中ですがね。

 

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上高地BTまで無事に送っていただきました。タクシーキャプテン、安全運転ありがとうございました。

お約束の河童橋前で修学旅行よろしく集合写真です。余談ですが、前列右のでかいザックを担いでいるのが私です。しつこいですが、がん患者が一番重たい荷物です。カメラ機材を入れているので、20kg程です。若い頃から鍛えていて良かった〜。

私よりずっとがん患者みたいな人もいてますね(失礼)。私は、抗がん剤を打ち続けているのに、全然痩せないんですよ。ナースからは、薬に負けるから痩せたらあかん!って厳命されているので、良しとしましょう。しかし、私を筆頭に見事にオッさん体型のメンバーが揃いました。それでも足腰はしっかりしているのは、昔とった杵柄ってやつですね。

 

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ぽこぽこ10分ほど歩いて、この日はコテージ泊りです。

途中の清らかな流れに心癒されます。当然のごとく大宴会を想定していますので、4室の長屋形式のコテージを、端から2部屋押さえてあります。騒音対策として、一番端で宴会して1部屋間隔を空けるために。ここでテントを張ることもあるのですが、観光地とは言え穂高の登山口ですので、夜は21時にもなると大きな声を出せません。この日はバッチリ対策済みですので、思う存分青春を語り合いました。

 

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夕方になり、BBQを終えた頃から上空の雲が消え去りました。

念願の奥穂高岳が望めます。これこれ。これを見ないと、上高地へ来た気がしないんですよね。現役時代はもっと高いところへ急いでいましたので、ここからじっくり観察したことがなかったのですが、いまは闘病中で高峰へ向かうのは自重していますので、これでも充分幸せです。

さて、多少の宿酔いで皆がグロッキーな翌朝。音で目がさめるほどの雨でした。予報って当たるのね。コテージから売店や食堂に向かう3分ほどの距離でも、カッパを着て傘をささないとずぶ濡れになるほどのけっこうな降りです。こらあかんわ。予定では、精鋭部隊は槍ヶ岳か前穂屏風岩を望める地までトレッキングするはずだったんです。

しかし、意気消沈。ほぼ平坦で、最後に多少の登りがあるだけなので強行しても危険はありませんが、見えない山を求めて豪雨の中を修行するほどドMではありません。CL判断で、河童橋周辺ピクニック組も含めて半日沈殿にするべく、部屋の延長を申し出ました。

うだうだと、それでも朝からビールを飲み続ける一行。とても山岳部のOBとは思えませんが、これも山の一つです。冬山では、一週間雪洞から出られずに食い伸ばし宣言をして昼食は飴ちゃん三つ、みたいな生活を普通にしていましたからなんとも思いません。雲の流れから、昼過ぎには小降りになると判断。正午頃に出発して明神へと向かいました。

小降りではあるものの、40分ほど雨の中レインウェアで歩きます。当初から雨予想なので、明神への往路は左岸の殺風景な林道を歩き、帰路に変化の飛んだ右岸を歩く予定を立てていました。黙々と、それでも梓川の清らかさに目の保養をしてもらいながら、明神に到着。

 

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宿で温泉に浸かる頃には、すっかり雨も止んで、夕食前には明神岳(前穂最東端)がきれいにアーベントロートしてくれました。真紅に燃え上がるモルゲンロートももちろん大好きですが、少女の微笑みのようにピンクに染まる夕焼けがとても好きです。ラッキー!

宿では消灯が21時と山小屋並。仕方ないですね。当初の予約では小部屋を三室だったんですが、どうせなら修学旅行にしよ。ってことで、14畳のタコ部屋に男8人が転がり込み、夕食後は女性メンバー2人も招いて小宴会をヒソヒソとしました。行儀よく規定の時間前にはお開き。

歯を磨いて、さあ寝よう!とはいきませんでした。前夜も私は同室だったので知っていたのですが、メンバーのひとりが大のイビキ屋さんだったのです。同じくイビキで睡眠時無呼吸症候群の人が殺意を覚えるほどの大音量で、男性軍は一様に睡眠不足の朝を迎えました。

 

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それでも、北アルプスは我々に寛容でした。

期待した青空が広がり、絶好の黎明撮影日和の到来です。4時半に起床して、早速宿前のベストポイントへ。思惑通りのモルゲンロート。みなさん、コンデジスマホなので赤みを写すのに苦労していましたが、私は重たいプロ機材を担いで歩いた甲斐がありました。古いほうですがね、壊れたらあかんから。

蛇足ですがデータはNikonD3 70~200f2.8G  M感度オート1/400,f7.1 -1.3補正です。VRはオン。読み込みが重たくなるので、このページの画像はiPhone6のやつ以外は相当画質を落としてあります。何世代も前のカメラですが、この組み合わせの発色が大好きで、今でも現役です。色は好みがありますし、解像度ばかり追いかけても意味ありませんしね。バッファが少ないのでスポーツには向きませんが、風景にはとても良いボディです。

 

 

 

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明神池まで散歩にでかけました。

この日はシーズンに何回かしかないという、モルゲンロートと池の朝もやが同時に出迎えてくれています。ラッキー!幻想的な風景に酔いしれつつ、作品作りにも勤しみました。すぐにお金にはならなくとも、こういう撮影は楽しいですね。どんな撮影も楽しいですが(笑)。

完全に闘病でのもやもやを洗い流してくれました。やはり旅は心の洗濯。信心が浅い私ですが、今日は穂高神社の神様に大感謝です。お札と登山お守りを謹んで買わせていただき、宿へと帰りました。

朝食を終えて、梓川右岸を歩きます。もう帰らなくてはいけないのが、サラリーマンや主婦さんとの同行のつらいとこですが、まっとうな社会人諸氏からすると当たり前ですね。これでも三連休を全てOB会に費やしてもらい、感謝の一言です。

 

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途中の支流で、シャッタースピードを変えて遊びました。

一眼レフをお持ちの方なら当然の初歩的ショットですが、写真に詳しくないメンバーからは驚きの声が上がっていました。なんで水の流れが止まったり動いたりしてるん?と。状況に応じて使い分けるんですよ、とだけ説明しました。

 

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焼岳を見ながら進み、名残惜しい穂高連峰はドッピーカンで見送ってくれました。

予報とは大違いです。ラッキー!穂高よさらば、また来る日まで。懐かしい山の歌を帰りのジャンボタクシー車中で口ずさみながら、楽しかった山旅も終焉です。

山頂へ向かうだけが山ではないですね。どんなに病状が重たくなっても、歩ける限り山へ向かおうと思っています。寝たきりにならないよう、少しでも歩き続けます。そうすることが、私にとっては最善の治療だと思っています。

来年も来るから、優しく迎えてね〜、穂高さん。でもまた劔にも会いに行きたがってる浮気性な私でした。肝臓切った後に登ってから、5年も行ってないもんな剱岳。行きたいとこだらけで困りながら、病室にて。

2016.7.16~18

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