お仕事旅日記/スキー 〜ゲレンデが融けるほど治したい〜
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2017.1.25~26 ゲレンデスキー撮影
どうも、acsekitoriことシバク・ドワレです。
退院翌日に仕事でスキーに行ってきました。目的地は兵庫県北部のハチ高原スキー場。二週にわたる大雪警報発令のドカ雪で、山を越えたお隣の鳥取県では何百台もの立ち往生車が出るなど、災害級の大雪でした。
学校の宿泊行事として行われるスキーキャンプへの同行撮影で、開催も危ぶまれるほどでしたが、当日には冬型も収まり無事に決行です。
今回は大型バスに同乗して行きますので、スノードライブはお預け。仕事ですからね。
早朝に出発して、1/12~14にプライベートで訪ねた養父市へと通じる北近畿豊岡道を北へ向かいます。豪雪地帯である遠坂峠をパスする有料道路の入り口も、大雪で看板が見えなくなっていますね。
雪国の暮らしを思う
北近畿道内にあるSA代わりの道の駅、但馬のまほろば。施設は使えますがかなり積もっています。この辺りは冬季でもあまり積雪はないのですが、今回の寒波はやはり強かったようですね。
終点間近の冬景色。生活する方はたいへんですが、旅人にとってはやはり白銀の世界には魅了されます。
これは天下の一桁国道、9号線。天候は回復して路面は融雪していますが、路肩の雪で大型車の離合はシビアな状況に。みなさんご苦労様です。
関ノ宮でR9を離れ県道に入ると途端に雪国の様相が強くなります。屋根の雪下ろしも前日まではしても仕方がなかったのか、もしくは吹雪でできなかったのでしょう。家屋の倒壊が懸念されます。
バスは重量があり滑りにくいのですが二駆ですので、ここから始まる急坂に備えてチェーンを巻きます。これは先行していた別の団体。大型バス向けにチェーン装着場が設けてあり、全車必ずそこへ寄って作業を行います。
このような場所への一般車の立ち入りは遠慮したいものですね。
山へ入りグイグイ登って行きますが、もう除雪した雪の壁は普通車の高さを超えています。
たまに現れる一般車。もう軽トラでも離合できません。地元の方ですのでへっちゃらでスーッとバックしていきますが、雪に慣れていないドライバーが混じっていると長時間立ち往生になります。
プライベートで運転するときは、常に先を読んで余裕を持った認知・判断・操作を心がけましょう。
ゲレンデに到着しました。予想通り、駐車場に連泊していた車は小山の中ですね。これを引き出すのはかなりの難行。しかし、もっと雪深い地方の方は毎日これに近い作業をして出勤しているのです。
俺は南国だから関係ないや、ではなく同じ日本にもこのような地域差があることを認識しお互いが労わりの気持ちを持つようにしたいものです。
今日はバスの中で車中泊、ではもちろんなくて宿で泊まります。ギャラだけではなく顎足代(交通費・宿泊飲食費)も総て出ますので気楽なもんです。
二階の客室に通されましたが、ゲレンデに面した二階の窓を超えて雪が視界を遮ります。少し雲が多くなり、小雪が舞ってきましたが大したことはありません。
外に出て撮影業務をこなしつつ、新雪をラッセルして遊びます。気温はマイナス4度くらいでしょうか。ダウンジャケットに降り注ぐ水の結晶。雪印がそのまま落ちてきて、無地だったダウンに可愛い模様を創ってくれます。
ドクターヘリが舞い降りてきました。但馬地方の広域救命医療を一手に引き受ける、このシステム。日本で最初にここで採り入れられたそうです。しかし、骨折程度では救急車が来ますので、この白い鳥が来た日は死亡事故、もしくはその手前確定です。氷ノ山の尾根から滑落か、ゲレンデで立木に衝突か。いずれにせよ、無事であってください。
宿の屋根から垂れ落ちる滴が結氷し、見事な氷柱に。春までにどれほどの凶器へと育つのでしょうか。完全犯罪に使われませぬように。
鴨鍋を美味しくいただく頃にはすっかり晴れ上がり、明日の晴天を告げるとともに放射冷却が始まります。明朝、黎明は里で-11℃予報。標高1000m近いこの宿の外ではどれくらいまでさがるのでしょうか。
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あけて1/26。思惑通り、絶好のスキー日和。一点の曇りもないドッピーカンです。しかし気温は思ったほど下がらず、この高原でもマイナス10℃ほどではないでしょうか。気温計は見ませんでしたが、顔に当たる冷気と指の痺れ具合でおおよその見当はつきます。
ハチ高原を取り巻く但馬名峰たち。三年前には山岳部の先輩と積雪期に一周登山、通称「ぶんまわし」をしましたが、その峰々が恥じらうようにピンクにモルゲンロートしてくれました。
その主峰、氷ノ山1510m。
標高こそ低いですが、鳥取の伯耆大山とともに、日本海からの北西風をまともに受ける屏風の役割のこの山。積雪量の多さとともに、東に張り出す雪庇ができる要素を北アルプス並みに備えていますので、遭難の多発地帯でもあります。
最近ブログや山SNSなどを見ていると、まったく雪山の経験がないのに講習会にも参加せず、単独で積雪登山をしている方をよく見かけますが感心しません。移動性高気圧に覆われて晴れ100%予報で出かけるのでしょうが、それでも思わぬ落とし穴があるのが雪山です。
この雪庇などは経験を踏まないと、どこまでが稜線でどこからが張り出しなのかはなかなか歩行中にはわからないもの。どうか、安全登山を励行するためにも経験者と同行するか講習会を受講してください。
こちらは高原名の由来、鉢伏山1221m。ここの山頂にはハチ北へ通じるリフトが設置されており、登山しなくとも登頂できます。
すっかり陽が昇って、この上なく心地よいゲレンデです。一昨日までの豪雪が昨日少し締まった上に粉雪が積もって、間違いなく今シーズンのベストコンディションでしょう。
顔馴染みの宿スタッフも、もうあれほどの寒波はこないでしょうから、今日が今年の最高の日じゃないですか、と言っていました。
誰もいないゲレンデに思い通りのシュプールを描く。
時にロングで、時にショートで。
ウェーデルンで急傾斜を一気に滑り降りて、振り返って自らの軌跡を確かめる時、私は鳥になります。
バイクで風を切り、スキーで羽ばたく。
これ以上の至福がこの世にあるでしょうか。
私は生きています。
この足で大地に生きざまを刻みながら。
森の木立も、ようやく雪の帽子を太陽にどけてもらって息を吹き返したようです。
あと何度かの猛吹雪との戦いを終えれば、陽光きらめく春が訪れるでしょう。
その時になれば、妻と散歩にでも来ましょう。
やはり、SKIは私の精神的杖でした。2月はまた長期の入院治療が待っていますので、もうこれないでしょうが、来シーズンもその次も、私は必ず雪の山で心を洗います。
シーハイル、ベルクハイル!
2017.1.28記
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