がん患者の旅行2/闘病記 〜予約。すぐに中止できることを前提に〜
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2018.6.9
どうも、シバク・ドワレです。
前回、がん患者が旅をするにあたり鉄道での問題点や、食事に関することを述べました。その流れの中で、大事なことを書き忘れていました。
予約。
これは普通の旅行をする人なら、避けては通れない事柄ですよね。
例えば、列車なら指定席。それに、宿。
ドライブなら高速道路の土日限定乗り放題がありますが、日程の事前登録が必要です。
健常者なら、仕事の段取りとパートナーの予定相談だけ済ませれば、かなり以前から予約してそれを楽しみに普段の業務に励みますよね。かつての私もそうでした。
それが、がんに限りませんが闘病者だと、かなり事情は違います。
せっかく貴重なきっぷや宿の手配ができても、催行日近くになんらかの症状が出てしまうと、キャンセルせざるを得ません。
断腸の思いで相方達にそれを告げる時の苦痛。。。
それを思うと、仲間内数人での和気藹々とした旅行などには最初から不参加表明してしまいたくなるでしょう。
こればかりは、私もどうしようもありません。
幸い、山岳部OB会などの大きな行事をキャンセルしたことはかつてはありませんが、これからは先行き不透明です。無理して参加しても、現地で他のメンバーに迷惑をかけるばかりですし、なによりしんどい時に行っても楽しく無い。
酒も飲めず、美味しい食材を口にすることもできない旅など、業務添乗ではあるまいしそんなの嫌に決まっています。保健室の先生もおらんし。。。
それを解決するには
家族以外の同伴者がいる旅行に関しては、不参加になってしまった時たとえ手段がどうあれ多少なりとも迷惑をかけるのはどうしようもありません。ドタキャンあり、と納得してくれる相手としか計画できませんよね。
まあ、末期のがんで闘病している私がキャンセルしたくらいで臍を曲げる心の狭い方とはお付き合いがありませんが。
さて、家族だけもしくは単独での旅行でも、交通機関と宿の予約だけは避けられませんよね。
でも、キャンピングカーならそれをしなくても旅ができるんです。しつこいですが、初めて拙文を読まれて、キャンピングカーのことなどなにも知らない方のために再筆します。
キャンピングカー、形にはいろいろあります。
軽自動車を改造したもの(軽キャン)、ハイエースやキャラバンの内装をベッドなどに改造したもの(バンコン)、トラックの荷台に家を架装したもの(キャブコン)、コースターなどのマイクロバスの内部を豪華に改造したもの(バスコン)等、大小織り交ぜて賑わっております。
私はショップの店員ではありませんから、どれがどう良いとかは書きませんが、それぞれ一長一短があります。
私の愛車はこのうちのバンコン(キャラバンスーパーロングハイルーフベースを室内自作改装)で、居住空間は狭いものの(それでもアルファードなどのミニバンに較べればはるかに広大ですが)、車体の長さは4.99m、幅は1.69mですので日常生活の買い物や仕事にも使うことができます。ですので、旅に出ても駐車スペースは高さ制限のみを(私のは2.7m)気にするだけで済みます。
他の大型キャンピングカーではコインパーキングは無理ですし、道の駅やサービスエリアの普通車スペースに停めても白眼視されます。かといってトラックスペースだと保冷車などの業務用車両が発電機を炊いたりアイドリングして寝ていますのでうるさいですし、トイレがかなり遠くなります。
いずれにせよ、キャンピングカーなら予約が不要なのが最大のメリットでしょう。
よく車中泊ブログやネットニュースを見ていると、車中泊の利点は宿代が要らないから安上がり、との記事を見かけます。
しかしキャンピングカーの場合はこれは当てはまりません。イニシャルコスト(導入費用)がかかっているからです。
私のような自作派はともかくとして、新車でキャンピングカーを購入するとなると300〜1000万円くらいの経費がかかります。それを宿代でペイすることなどは事実上無理で、安く上げたいのならじゃらんなどの登録型サイトでビジネスホテルを予約したほうがよほど安くつきます。二人で四千円くらいで泊まれますからね。
そこで、先ほど述べた予約不要のメリットが浮上します。
思いついたその時が出発時。
例えば私のケースですが、よくやるのが退院日の出発。大体昼過ぎには退院できますので一度自宅に帰り、体調が良ければ支度して妻を乗せてその日のうちに出発します。体調が悪ければ当然自宅待機。
そして、行くことになっても無理はせず、身体と相談しながら適当に走り、買い物と風呂を済ませたら早めに(20時くらいまでには)宿泊地である道の駅やSAに入港して錨を下ろします。
毎日買い物をするのもしんどい時のために、冷蔵庫に自宅並みに貯蔵できますので夜中に困ることもありません。
そこで初めて、キャラバン(ロングキャンピングカー旅)の詳細を煮詰め、明日走るルートをネットで検索したりブログを執筆したりします。大画面テレビがありますので、ニュースも見られますしBLプレーヤーで観たかった映画を鑑賞したりもできます。
長く入院していると自宅同様の環境で旅をしたくなりますので、私は自作に当たってそのような観点から工事を進めました。さすがに如何にもキャンピングカー然としたキャブコンと違いバンコンですから、立って調理ができるキッチンやシャワー・トイレなどはありませんが、贅沢は敵です。
ものすごく狭いワンルームマンション、いやそんな上等なものではありませんね。神田川の世界の、風呂は銭湯、トイレは共同の四畳半一間の下宿にて妻とふたりで青春している、そんな感じです。
なんでがんの闘病中にそんな窮屈な思いをしなければならないのか?と大半の方は思うでしょう。しかし私にとっては、その不自由な生活を日常的に行うことにより、病院での大部屋生活が天国に思えるのです。
人間は比較対象があれば感情を抑えられるもの。
差別意識にもつながってしまいますが、これよりもひどい生活があるのだから我慢しよう、と無意識に現状を優先できるものです。
こんな感じで旅の具体的紹介なのかマイキャンピングカー紹介だか判らなくなりましたが、とにかく予約不要の気ままな流離(さすらい)。これならば気軽に出かけられます。
2018.6.9
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