災害避難と車中泊/自作 バンコン キャンピングカー 〜備え。それは適当に扱うものではなく〜
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2019.5.19 災害対策
どうも、シバク・ドワレです。
私は32歳の時に、阪神淡路大震災を経験しました。まだ神戸市でサラリーマンカメラマンだった頃です。
地勢的には旧摂津国の一部であり一応阪神地域ではあるのですが、すぐ北は丹波篠山、東隣は大阪の北海道・豊能郡能勢町、西隣りは三田市と、都心からは離れたまったくの山間部で丹波地方入口です。
日頃の生活は不便な地域だったのですが、震源地から遠かったおかげで直接的な被災地ではありませんでした。
しかし職場は震度7の被災地のど真ん中。
会社のビルこそ半壊で済みましたが、辺りは悲惨な状況でした。
その中で垣間見たのは、学校のグラウンドで車中泊する避難者の方々です。
後の新潟地震や東日本大震災では、狭い自動車で車中泊する事に因るエコノミークラス症候群が問題になりましたよね。
私は幸いに自宅はライフラインも含めてなんの損傷もありませんでしたから、避難する必要はありませんでした。
しかし、業務上で避難場所を回る必要があり、記憶にはまだそこの様子が鮮明に残っています。
学校のグラウンドには車中泊だけではなくテントもたくさん張られており、真冬の寒さのなか多くの人が不自由な生活を強いられていたのです。
なぜ雨風が防げて外よりは暖かい教室や体育館ではなく、グラウンドに避難するのか。
これは、ひとえに体育館などではプライバシーが守られないからです。当事者では無かった私の口からは、避難場所での本当の悲惨な現実をここで述べることはできませんが、相当ストレスが溜まる状況でした。
ですので、マイカーやテントを持っている人は、それらを駆使してプライバシーを確保したのです。
アウトドア好きで、今までにまったく震災や豪雨などの大規模災害に遭遇した事の無い方は、クルマやテントがあるならばもっと広く快適なキャンプ場などで避難生活を送れば良いのでは?と思われるかもしれません。
しかし学校など、自宅近くの指定避難場所を離れられないのには訳があるのです。
それは、先ずは水やお握りなどの配給が、避難場所を離れてしまうと受けられない点。
そして、自治体からの最善の情報も、学校などにいないとなかなか正確なものが伝わりにくいのです。
下へ続く
その際にキャンピングカーを使う事の是非
そのような体験から、私はキャンピングカーを自作した際に、遊びの旅だけではなく避難のケースも想定しました。
車外にテントやタープ、オーニングなどを張らなくとも、車内だけで生活が完結できるように、先ずは飲料水と食材の保存スペース確保。
そしてその水を使って洗面や炊事ができるギャレー(台所)と、トイレを車内に配置。
狭い中でそれらを駆使する事に因る疲労を取るための、快適なベッド。
夜になっても資料を読んだり食事ができ、テレビにて情報を得るための電気。
着替えをストレスなく行うための、立てる場所と窓の目隠しカーテンなど。
これらを念頭に、ほぼ全ての装備を手作りで完成させました。
当然、停電が予想されますので発電機も装備してあります。しかし、これを実際に学校のグラウンドで焚くのは、周りからのひんしゅくを考慮するとできないでしょう。
発電機さえ発動させなければ、私のキャンピングカーは外観は普通のワンボックスカーですから、車内で完結する分には問題ないと思います。トラック型のキャブコンならまた違うでしょうが。
発電機が使えない時を想定して、ソーラーパネルや走行充電システムも準備しており、現実に旅で活躍しています。
太陽の光さえ享受できる環境なら、例え軽油やガソリンが入手困難で動けなくとも、スマホやタブレットの充電を始め、サブバッテリーからインバータ経由でテレビなども見ることができます。
インターネットからの情報も便利ではありますが、速報性に乏しいのと、フェイクニュースに踊らされる危惧がありますので、災害時はやはりテレビやラジオがいちばん信頼が置けます。
これらはあくまでも、私と妻との家族だけの環境を考慮したものです。近隣の方や離れた親族の事までを想定してはいません。二人しか乗れませんから。
すると、たとえ車内で完結したとしても、周りの人がカーテンも無しの軽自動車で生活する中を自分たちだけキャンピングカーなんかで暮らせない、と思われる方も多いでしょう。
しかし我々夫婦は、片方は末期がん、もう一方は心臓とてんかんの持病を抱える社会的弱者なのです。
平時なら、自分達だけ幸せになるのを優越感に思うほど人間は腐っていないと思っていますが、有事の際はそんな事言っていられません。
私の場合、先ずは副作用を抑える常用薬の確保、そして災害により間隔を空けざるを得ないであろう抗がん剤注入を、なんとか早急に開始しなければなりません。
いつもの病院が緊急事態で満床なら、その敷地内に駐車して車内ででも抗がん剤点滴を受けなければ、いつまでも化学療法を中断したままだとせっかく災害から助かった命を落とすことになります。
そのためにも、キャンピングカーなら万全の態勢で治療に臨むことができます。簡単な医療機器なら、先述の発電機を回して対処できます。
当たり前ですが、このような想定と準備が空振りに終わる事を念じてはいますよ。
しかし、南海トラフ地震を筆頭に、昨年以上の豪雨災害などが近々に絶対に起こらないと、誰が言い切れるでしょうか。
こればかりは、日頃スーパーポジティブな私でも、取越し苦労になろうとも肝に据えています。
もし大災害から逃れられないとするならば、どうか妻と一緒の時にして下さい。
お願いします。
2019.5.19
ご閲覧ありがとうございました。よろしければ他の記事も覗いて行ってくださいね。 自作キャンピングカーと大型オートバイを中心に、夫婦での旅記録が主な内容です。