エアコン修理と部屋にエアコン導入/自作 バンコン キャンピングカー 〜冷やしても、皮膚の中には届かない〜
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2018.6.30 エッセイ
どうも、シバク・ドワレです。
我が家には、エアコンが無かったんです、昨日までは。それが私の体力自慢の一つでもありました。暑い日には窓を開けて風を通し、ビールをかっくらう。そんな生活が心地よかったんです、昨年までは。
ところがところが。大量の鼻出血などの副作用により使えなくなった分子標的薬の、アバスチン。それの代わりにこの春から使用しだした同じく分子標的薬のアービタックスの副作用は、もっとも顕著なのはニキビ状の薬疹なんです。
飲み始めて二週間ほどしたときに、顔に出るあまりに大量の吹き出物に、思わず高校時代を思い出しました。もともとニキビ体質なんですが、この副作用での薬疹は半端なかったです。
顔の次に出たのは、胸と背中。これは服で隠れるので見た目は良いのですが、尋常じゃないほど痒い。これはたまらん。
ってことで、ナースに言われたのが
「これから夏で暑いですから、できるだけエアコンの効いたところに居て汗をかかないようにしてください」
みたいなことでした。
アウトドアの権化みたいな私に、それは禁錮判決が下りたようなものです。でも、自分のためですから仕方がない。
そこで登山やハイキングは諦めて、ツーリングはホテル泊。車中泊のキャラバンも、高原や山奥に行って涼む方向で遊びましょう。
外での遊びは工夫したり我慢したりすればなんとかなりますが、家にいるときに汗をかいたのでは話にならない。
そこで不本意ですが、自宅の寝室である和室に窓用エアコンを無理やり設置しました。
和室はバルコニーからはリビングを挟んで奥まっておりマンションの中央にありますので、普通の壁掛け式エアコンは付けられません。そこで窓用のやつを中古購入して、ただ廊下に面した襖に挟んだのです。
上に隙間ができますので、突っ張りポールでカーテンも付けました。
なぜリビングと和室の両方を冷やせる大型エアコンを設置しないのかって?高いからです。
かようになかなか面倒くさいのが化学療法の副作用。
しかし、激しい下痢や嘔吐などに比べて死へ直結していない症状なので、ドクターにしてみればあまり不安視しない材料のようです。いずれにせよそれらの薬を服用しないことにはがんが育つ一方で、死期が早まってしまうのですから文句は言えません。
いらいらしても何の得にもなりませんので、オートバイやキャンピングカーを用いてすっかり忘れることにしましょう。
こんなときに限って
ロケバンに乗る時くらい涼もう、汗もかかないから薬疹もできないだろう。
そう思っていた梅雨の真っ最中。
効かないんですよ、ロケバンのエアコンが。ファンは盛大に回るんですよ。しかし、風がぬるい。コンプレッサーが入る様子もありません。
コンプレッサーの故障か?はたまたガスが抜けているのか?
調べてみると、ガスが抜けていると保護のためにコンプレッサーは自動停止するらしいです。このままでは大雨のときに曇りも取れず、危険です。
ディーラーに駆け込み、軽く見積もりを取りました。すると、原因を追求するにはコンプレッサーや配管を全てたどっていくために内装をバラさないといけないので、預かりになり日にちがかかるのと、当然それに伴う作業工賃や経年劣化しているであろうコンプレッサーやその他部品の交換で15万前後はかかるだろう、とのこと。
目の前真っ暗です。
そこで、博打ですが街の自動車工場でとりあえずガスの補充だけしてみることにしました。ガスが抜けているだけなら、これで復活するからです。
しかし、見事に博打に負けました。補充した直後にはコンプレッサーにスイッチが入り、アイドルアップもして快適に冷えたのですが、翌日には元に戻ってしまったのです。
しかしこれでコンプレッサーは生きており、ガスがなんらかの原因で漏れていることが判明しました。
こうなるとディーラーではなくて街の電装屋の登場です。
なに、ディーラーにしても自動車工場にしても自社工場で修理するのではなく電装屋に預ける事は聞きましたので、一緒です。そう、エアコンなどの専門分野は普通の修理工場では扱わず、電装屋が一手に引き受けているのです。
当然丸投げされて中間マージンを取られるよりも、自分で電装屋に持ち込んだ方が安いのは自明の理。
事前に電話して、事情を話しました。
時期が時期だけに大量の予約を抱えており、普通では何日も待ってからの作業になるらしいのですが、今日土曜日の9時、開店直ぐなら見積もりのための点検をしてくれるとのこと。
ただ、点検には8000円と消費税がかかります。各種器材を用いてテストするのですから当然ですよね。それに文句は無いのですが、既にガスの補充で15000円ほど使っています。我がキャンピングカー、キャラバンスパロンはデュアルエアコンなのでガス缶が6本も入るので、高いのです。
そこで交渉したところ、点検の後そのまま修理にかかるのなら、点検代8000円は工賃に込みにしてくれる、とのこと。一般カー用品店のように一律にエアコン修理ならいくら、カーオーディオ取り付けならいくら、のように決まっているのではなく作業時間により工賃が変わってくるらしい。
キャブオーバー1BOXであるキャラバンがセダンなどより高くつくのは仕方がありません。フロントシートの下にエンジンがありますから、ボンネットを開けて作業できるそれらの車よりやりにくいですからね。
しかしそのボディ形状のおかげで車中泊が快適に過ごせるのですから、税金と思って諦めましょう。
とにもかくにも、持ち込んでみました。
さささっと年配の社長自ら点検を始めてくれました。
テスターを用いて、10分ほどで点検が終わりました。事務所で待つ私のところへきて一言。
「配管のOリング、三ヶ所から漏ってますねえ。それの交換なら、一時間ほどで終わるからガスの真空引きと補充込みで¥28000ほどでできますよ。先約はいっぱいありますけど、待ってくれるならいま直ぐやりますけど」
おお、神様。
ディーラーで15万と言われたところが、先だってのガス補充を含めても43000円ほどで済みます。もちろん、即決でお願いしました。
恐るべき速さで作業が進んで行きます。
これが専門職の技術なのか。
やはり、餅は餅屋ですな。時々邪魔にならない程度に質問すると、こちらのクルマ好きが分かったのか、丁寧に教えてくれます。ナイスコミュニケーション!
さっさっさと作業が終わり、一言。
「思ったより早く終わったから、25000円でいいです」
おーまいごっど。
これが職人ですね。地元の安心感もプラスされて、たいへん心地よく修理が終わりました。
この記事はディーラーを全否定するために書いたのではありません。メーカーの看板を背負っているディーラーは、修理直後の再修理を避けるために、劣化しているであろうとの予測で、まだ使えるパーツまで新品に交換してしまうのも判ります。
しかし、それではあまりにもったいないし、私のように苦労して中古の車体や部品を駆使して遊んでいる身としては、ポリシーに反します。なによりそんな湯水のごとく使う金が無い。
安心感を買うか、安く上げつつも街の職人とコミュニケーションを取って次回の修理を信頼できる腕に任せるか。
人それぞれだと思います。
2018.6.30
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