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化学療法のやめどき/闘病記 〜そこには魔の手が忍び寄る〜

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2019.2.2 雑記

どうも、シバク・ドワレです。

時事ネタです。

女優の東てる美さんが、化学療法を止める決断をした、と昨日報道されましたね。

詳細は知りませんが、肺腺がんの術後補助化学療法だと思います。

一回が3週間で1クールなのを4クールする予定だったのが、2クール目で副作用が酷く出たので止めるそうです。

賛否両論あるでしょうね。

私は、もちろん反対ですが声は届きようもないし、本人が納得しているから良いでしょう。

 

しかし、そのスポーツ紙の記者が曲解した記事を書いたのかもしれませんが、中段に、

「33歳の娘に反対されながらも中止する理由には、子宮がんで亡くなった彼女の母が、生前に抗がん剤はしんどいから辞めたがっているのを、長生きして欲しくて続行したのは東さんだったからだそう」

抗がん剤でキツくて苦しい思いをするなら、美味しいものを食べて好きな事をしていたいと、彼女は述べている」

の一文がありました。

これを読み、私は腑に落ちません。

下へ続く

逆なのでは?

母への想いがあるなら、罪滅ぼしとして、彼女こそが頑張って治療を続け、77歳で没した亡き母と同じくらいまでは生きる努力をしたら良いのに、と感じてしまいます。

それそこが、自分が母に長生きしてもらうためにした事を、娘にもしてあげられる。

こう思うのです。

今のままやめると、母にも娘にも残念な思いを与えて、当人だけが旨いものを食い、好きな事をする。

そんな自己中心的発想も、化学療法中にがん患者に起こる、せん妄のなせる技かもしれません。

私も当事者でも無いのに、言い過ぎました。誰にもがん治療をどうするかの選択権はありますし、前後関係など全て忘れて今を生きるのが最良なのかもしれませんね。

 

しかし何も私が抗がん剤治療の苦しさの現役だからと、どS的に苦しむ仲間に引きずり込みたいからこんな事を言っているのではありません。

 

彼女にはステージ1の肺腺がんと告知されたようですが、術中にリンパにもがん細胞が飛んでいるのが見つかったそうです。よくある事です。

肺の三分の一を切り落とすオペですから、患部そのものよりも周囲の正常細胞のほうがより多く切除されたのでしょう。

予後は私にはもちろん医師にも判りませんが、おそらく主治医と執刀医は転移再発の可能性大と判断して、術後化学療法をアドバイスしたのかと。

 

この場合、まだ抗がん剤に慣れていない精神や身体なので、かなりツライのは事実です。私もそうで、脱水で死にかけました。

しかし、薬を変えながら乗り切り、転移再発までの4年間は幸せに平凡に過ごしましたよ。

好きなものを食べて乗って。

 

それでもやはり転移しましたが、術後化学療法をしておらず、ドクターのフォローも放置していたとしたら、もうとっくに死んでいたでしょう。

彼女が化学療法を2クールだけで止める本当の理由は、大音量の耳鳴り、手のしびれ、抜け毛、味覚障害などに悩まされた、との副作用が中止理由だそうです。

これらは、私も経験した副作用のベーシックな代表例です。

しかし、それを乗り切るか否かは本人次第。

誰にも強制できません。

 

ですが、東さんの術後化学療法は、あとたったの2クールです。いちおう副作用も出揃ったみたいなので、峠は越えたかもしれません。

なぜ、ドクターが製薬会社の意見を聞きながら、その回数や用法用量を決断し提案するのかは、確固たるエビデンスがあるからです。実証例ですね。

その事から、東さんに対してドクターは全4クール、凡そ4か月かけて体内に抗がん剤を注入する場合の用量を処方しています。

それが、半分で終わってしまう。

もう、その主治医には匙を投げられるかもしれません。正規の治療をしてくれない訳ですから。

 

もし彼女の耳に届いたなら、可哀想ですね、ショックな文を書きましたから。

私が最初から書いているのは、統計学の話です。再発するかもしれないし、しないかもしれない。そんな半々の博打なら、楽な方を選ぶとお思いでしょう。

しかし、そんな丁半みたいな単純な博打ではありませんよ。

あくまでも統計学ですが、一例として術後化学療法をしておけば5年生存率は90%、しなければ30%程度に落ちるような、分が悪くなる博打なんです。

彼女の生存率がいくらか知りませんが、やはりしかるべき標準治療は受けておくと、少しでも余命が長くなるみたいですよ。

 

最悪なのは、抗がん剤副作用の宇宙的辛さから逃げたいために、ツボや栄養サプリメントを超高額で買ったり、保険外自費負担の薬剤を個人輸入している医者が経営するクリニックへ飛び込む事です。

「そんな!これをしたのに死んだなんて!」

とねじ込んでも後の祭り。

それこそ向こうの思うツボで、

「ツボを買い足りなかったんですよ」

「薬剤の量がその費用では少なすぎたせいです」

などとゴネられて、更に泣きっ面に蜂で供養のためのツボを買わされたり、医者には家族の気持ちを鎮めて死者を弔うサプリを買わされたあと、高級な葬祭会社を紹介される事でしょう。

 

あ、押し付けてはいませんよ?

ただ、東てる美さんはもったいないなぁ、と思うんですわ。それくらいのことでやめるなんて。

血液中の白血球数などの数値がボーダーラインを割り続けたなら、仕方ありません。

それは、ドクターストップがかかりますから、万事休す。それでも無理に続けると、がんではなく、感染症や多臓器不全で死にますので。

 

そうならないように、私は化学療法のスケジュールを綿密に計画して、ドクターに依頼しています。製薬会社のレシピ通りにすると、毎週打たなくてはなりません。

それでは永遠に退院できませんから、自ら闘病生活を設計し、ドクターにはプロとしての経験値アドバイスを受けるようにしています。

 

一方的に治療方針を決めて、患者には優しく相談どころか、鬼の形相でイヤなら退院しろとばかりで治療方法を強制する医者がいる病院へは、絶対にかかりません。

 

ですので、現在では自宅から遠く離れた僻地の病院で入院治療してるのです。

化学療法の治療は患者がするもの、ドクターは指針を示して、ナースは点滴で抗がん剤を注入し、副作用に対処するのみ。

治すのは患者本人の治癒力なのは当然ですが、大事なのは適宜応じた薬品と、それと併せて薬剤耐力。プラスして平常心不動心の乱れを出さない精神力です。

 

人間の自己治癒力をナメてもらったら困ります。

あ、ワイは人間ちゃうかったわ、また忘れてたわぃ。

2019.2.2

 

 

ご閲覧ありがとうございました。よろしければ他の記事も覗いて行ってくださいね。

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